Episode4.18

次の日、ナイトビュッフェが廃滅したというニュースが全国に轟いた。

『魔法界』を知らない一般人はただ不正をしたという報道を信じているが、知っているものは不正の原因を理解していた。

教室に行く前に校長室に呼ばれたシュガーとソルトは、昨日、グラン・ドラジェが国王と話した内容を聞いている。

グラン・ドラジェいわく、ここまで大々的になれば、シュガーを狙っているものは鎮静化するだろうとのことだが、それでも一時的なものだと言う。二人もわかっていた。
またこのニュースが風化して、狙われ始める前に力をつけなければならない。

でも、どうやって?
がむしゃらにやってもたかが知れている。
実践を積むにしても場所がない。

グラン・ドラジェは少し考えると、今年はマドレーヌクラスにしようと呟く。

「え?」

「いいや、こちらの話じゃ。…シュガー」

「はい」

「まずは今まで通り基礎練習をしっかりしなさい。基礎が疎かになると強くはなれん」

「…はい」

「焦る気持ちもわかる。大丈夫、君は強くなれるよ」

そうしてグラン・ドラジェは二人に教室に行くように言う。二人は腑に落ちない様子で頭を下げ、校長室を後にした。





教室に行ったシュガーとソルトはみんなに揉みくちゃにされる。

「大丈夫!?シュガー!」

「心配したのよ〜」

「うん。大丈夫。話は聞いたよ!みんな本当にありがとう!」

「無事でよかったわ」

みんなのほっとした顔を見て、迷惑と心配をかけてしまったと自責の念を感じたシュガーは、早く強くならなくちゃと決心するのだった。





「お呼びですか、校長先生」

「来週、マドレーヌクラスは臨海学校を決行する。準備をしておくように」









CreationDate:2005.08.19
ModificationDate:2015.04.21




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