04 振り返るとそこには一人の老人がいた。 「校長先生!」 どうやらこの学校の校長のようだ。 「こんにちは、わしはこの学校の校長をしている、グラン・ドラジェじゃ。君が来ることは知っておったよ。入学は勿論歓迎するよ。これからクラス編成やら色々話があるんじゃが、着いてきてもらっていいかな? 君たちは早く教室に行きなさい。そろそろホームルームが始まる時間じゃよ」 「俺は残るからお前らはさっさと行っとけ」 校長先生の登場で我に返ったらしい3人は時間に慌て始めソルトに視線を送るが、ソルトが残るということで、こちらを気にしながらも走り去った。 歩き始めた校長先生の後に付きながら整理する。 ウィルオ・ウィスプ、グラン・ドラジェ、ミジョテー、金髪、銀髪長髪、ターバン、それに銀髪の彼が金髪の子のことをシードルと呼んでいたか。 先程から感じていた違和感が一本の線になった。 「マジカルバケーションだ…」 「あ?何?」 「ううん、なんでもない」 どうやらこの世界は前の世界でゲームになっていたようだ。ただ、あれが本当に起こるのか、もう起こったのか後なのかはわからない。起こったとしても、もう殆ど記憶にもないから考えても意味がないのだが。 「この一帯が女子寮で、君の部屋はここじゃよ」 思考を巡らせていた私の耳に声が届く。 「ネームプレートもかけてあるし、こちらに着いてあった荷物も中に入れておいたよ」 「あ、ありがとうございます」 着いてきてと言ったのは寮に案内してくれるためだったらしい。私の部屋は角部屋だった。角部屋は色々融通が利くからラッキーだ。 「部屋の改装とか、改造とか、大丈夫ですか?」 「君の部屋だからね。周りに迷惑さえかけなければ何をしても大丈夫じゃよ」 やったー。 「ところでクラスのことじゃが…ソルト、君もいることだし、色々な事情を考えるとマドレーヌクラスがいいじゃろう。もう彼女には編入することは伝えてあるから、ソルト、案内してやってくれ」 「はい」 「そしてこれが教科書じゃ」 それでは、と校長先生はどこかに消えた。 CreationDate:2004.08.19 ModificationDate:2015.03.18 [ 4/18 ] [ 4/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |