Episode4.13 「ソルト!大丈夫!?」 「シュガーちゃんは平気ですの!?」 駆け寄ってきた四人は無事な二人を見てほっと胸を撫で下ろした。 気休め程度だけれど、とペシュがみんなに愛の魔法をかける。 「シュガーは」 「眠らせた」 ガナッシュの言葉に間髪いれず答えると、ソルトはナイトビュッフェの一味だろう五人に目を移す。彼らは魔法の暴走を直接受けたためか気絶していた。 「こいつら、どうするんだ?」 勿論警備隊に引き渡したい。だが彼らを捕まえるにはシュガーが巫女であることを大々的に公表する必要がある。信用できるかどうかわからない人間のいる場所に、それはリスクが高すぎた。 「…頭に来るけど、放っとくしかねぇよ」 「後はわしに任せなさい」 突然の声に振り返ると、グラン・ドラジェが立っていた。 「校長先生!」 「遅くなってすまなかった。彼らはわしがどうにかするから心配しなくても良いよ」 「校長先生!ラベンダーが!」 「大丈夫じゃ。そちらにはマドレーヌが行っておる。…君達は彼女を連れて学校に戻っていなさい」 眠っているシュガーは当然誰かが運ぶことになる。ソルトがシュガーを持ち上げようとしたところでグラン・ドラジェが制止した。 「君は止めておいた方が良い」 その言葉にソルトは身体に力が入らないことに気付く。一人で歩くには問題ないが、シュガーを抱き上げるのは無理だ。 「馴れてない魔法の上級を無理矢理使った反動じゃの。身体が疲労している」 喰えねぇじいさんだぜ。 カシスはグラン・ドラジェに目を遣りながら心の中で呟いた。 遅くなってすまなかった、と言ったくせにソルトが上級魔法を使ったことを知っている。どこから見ていたのか。もしかしたら最初からこうなることもわかっていたのかもしれない。対処が出来ないくらい危なくなれば助けに入っただろうが、それまでは生徒達に一任したのだろう。 本当に、食えない。 CreationDate:2005.08.18 ModificationDate:2015.04.19 [ 13/19 ] [ 53/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |