Episode4.10

「ノヴァショット!」

「カイエンヌ!」

「ハグルマロボ!」

「アシッドスコール」

キルシュ、カベルネ、カフェオレがラベンダーに向かって攻撃する。
威力の高い技ではあるが、元々のレベルが違うために初期魔法で防がれ、それどころかこちらにダメージを食らってしまう。

「威勢のわりにこんなものなの?みんないっぺんにいらっしゃいな」

ラベンダーに向かっているのは全員ではなかった。ただそれはブルーベリーの作戦によるものだ。数人が攻撃しラベンダーが気を取られているうちに聞こえないように作戦を話し合う。
ラベンダーは話していることは解っていても、何を話しているかまではわからない。

「レモン、貴女が鍵よ」

オリーブが囁く。学校を出る際、ソルトがレモンに渡したものは塩化ナトリウムだった。
マドレーヌクラスの生徒以外は知らない、けれどマドレーヌクラスの生徒ならば知っているシュガーとブルーベリーの試合。それをレモンに再現しろと言っているのだ。
確かに普通に戦って勝てる相手ではない。けれど、負けるはずがないと侮っているラベンダーであれば、シュガーの突拍子もない戦略が唯一の勝ち星になるだろうと。レモンの攻撃力はプロと見劣りせず、一点を狙うことが出来れば勝てる、とブルーベリーは確信していた。一発逆転だ。それと同時にチャンスは一回だけであることもわかっていた。そこで防がれてしまえば、プロであるラベンダーは対応してくる。そうなると勝てない。
…だが、

「…、」

攻撃力は誰にも比毛をとらないレモンだが、コントロールは未だ苦手だった。元々範囲の広く使う雷魔法なのに、それを一点に集中させるなんて芸当、到底自信が持てない。

「レモン、大丈夫。私が手伝うわ」

コントロールはクラス一を誇るキャンディが言う。

「えっ?」

「私が貴女の魔法を風でフォローする。二人ならできるわ!シュガーを助けましょう」

キャンディの言葉に励まされたレモンは、自分の顔を叩くとギッとラベンダーを睨んだ。

「そうだね、私としたことが弱気になってたよ。…キャンディ、フォロー頼んだよ」

「任せて!」

「みんな、聞こえたわね」

ブルーベリーの言葉に声を揃えた。









CreationDate:2005.08.18
ModificationDate:2015.04.15




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