Episode4.08 「ソルト!君、シュガーがどこにいるのかわかってるの!?」 走りながらシードルがソルトに叫ぶ。 「わかんねぇよ!けど俺に言わねえで出るってことは裏門から出たってことだろ!近い場所かつ捕まえられそうな場所っつったらここら辺の路地しかねーよ!」 表門を通るにはマドレーヌクラスの横を通らなければならない。近くを通るのであればシュガーはソルトに言うだろうとの考えだ。 足を緩めたソルトは、止まることなく路地を覗き、誰もいないことを確認してはまた違う路地を覗く。 四人もそれぞれ手分けして探していると、何処からか強い魔力の動きと微かな悲鳴が聴こえた。 「ソルト!今の!」 「…っ!」 「流石、手こずらせてくれる」 疲労と魔力の使いすぎで集中力が切れた一瞬の隙を狙ってかけられたブラックローズはシュガーを壁に絡めとった。 リーダー格の男に顎をぐっと捕まれ、呻く。 「これからは私たちのためにその力を使って貰おう」 「…っ、だれ、が…っ!」 麻痺して満足に声が出せないまでも、目で反抗を示した。 「言うことを聞かないワルイコには躾が必要だな」 そう言って男は横に控えている男に目配せをする。 強い電撃が動けない体を襲い、引き裂かれるような痛みに言葉にならない悲鳴を上げた。 「一言言えば解放してやる。道具になります、とな」 「い、や…だ、ッ…、あああぁあっ!」 「…気絶するまで認めんとはなかなか強情だな。…まあいい。捕まえさえすれば時間はたっぷりある。…帰るぞ。連れてこい」 「御意」 「シュガー!!」 ソルトたちの目に入ったのは、壁に荊で張り付けられて意識を失なっている、ボロボロ状態のシュガーだった。 CreationDate:2005.08.18 ModificationDate:2015.04.14 [ 8/19 ] [ 48/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |