Episode4.06

誰かに捕まって脅威になるより、関わらせない方がいいと思った当時の王様が作った法律が政治不干渉。
けれど、そんな法律で縛られないくらい、巫女の力は宝だった。

全てと言っていいくらい、殆どの権力者が表立ってはできないものの狙っているわ。
他の、…まれに救済者もいるけれど、邪魔者は消すだけ。
関わるなという王様だって、誰かに捕まるよりは幽閉する方が良いと追手を差し向けたこともある。

「親すら殺されるんだから、可哀想よね」

「…え、」

「ソルト・フレイヴァに両親がいない理由よ」

ラベンダーの口から出る衝撃的な事実に言葉を失うみんな。

「…ソルト・フレイヴァのって、」

その台詞に引っ掛かりを感じたブルーベリーが口に出すが、ラベンダーの本当に健気よねという言葉に遮られて消えてしまった。

「さっさと引き渡せばよかったのに、魔法も使えないのに抵抗するから。まあそのお陰であの子は他のに捕まらずに私たちのモノになるから感謝するけれど。お人好しで馬鹿な人たちだと思ったわ」

「ひどい、」

キャンディが泣くのを堪えながら絞り出す。

「巫女として生まれたその時から、彼女は誰かしらに利用される運命なのよ」

「利用、利用って人を物みたいに!」

「物よ。道具だもの。アレの意思なんて要らないわ。命じるままに力を使わせるだけ。

 知ってる?あの子の前の巫女はね、生を受けてから死ぬ寸前まで青空を見たことがなかったのよ」

オリーブは自分が泣いてることに気付いた。苦しい、悲しい、恨めしい、様々な感情が胸を締め付ける。

私たちが当たり前のように見ている青を見れない彼女はどんな気持ちだったのだろう。シュガーだって下手したら同じだったかもしれないのだ。
自分が巫女だからという理由で人に狙われ続ける彼女たちは、

「さて、そろそろ帰ってもいいかしら?私は、実家からの連絡は祖母の危篤だったという理由で学校を止める。ラベンダー・ナイトバフェットはいなくなる」

「貴女がナイトビュッフェってことは知ってますよ」

「証拠はあるの?巫女を拐った証拠、私が関わっている証拠、私が消える時点でそれらも無くなるわ」

「なら今捕まえるだけヌ〜!」

「逃がしません!」


「ホント、馬鹿な子達ね」

そうして互いに戦闘体制をとった。









CreationDate:2005.08.18
ModificationDate:2015.04.11




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