Episode4.05

「カシス、ガナッシュ、シードル、ペシュ。あなたたちも着いていってあげて」

「ブルーベリー!…でも、」

「人数もわからないし、ソルト一人じゃ心配だわ。こっちは任せて」

ブルーベリーの目にしっかりと決意が宿るのが見えた。

「逃がすなよ」

「…頼んだ」

「任せたよ」

「行ってきますの!」


「気をつけてね」


四人が走り去るのを見ながらピスタチオが心配そうに呟く。

「こっちの方が人数多いけど、大丈夫だっぴ?」

「シュガーを拐うにしても大々的にはできないわ。人気のないとこで気付かれないようにするだろうから、多分人数も少ない。実力もあるし、みんななら大丈夫」

会話を聞いていたラベンダーが嘲笑した。

「その信頼、無謀すぎて笑っちゃうわね。所詮あなた達は生徒、私達はプロ。勝てると思っているの?」

「シュガーは貴女の手には落ちません。それに、巫女は政治に不干渉。関わらないという法があった筈ですが。拐おうなんて、地位剥奪の危険があるのでは?」

「流石レイクサイド、ね。キレイゴト過ぎて拍手を贈りたくなっちゃう」

「茶化さないでください」

「そのご立派な弁舌に免じて教えてあげるわ」

ラベンダーは語り始める。

政治不干渉、どうしてそんな法律が出来たと思う?
巫女の力は強大よ。あれさえあれば国を支配するのなんて容易いわ。みんなが欲しがる力。勿論レイクサイドだって例外ではないわ。

「うちは、そんな!」

「あなた、自分のクラスメートに巫女がいるって話した?」

「…いいえ」

「話してごらんなさいよ。何らかしらの関係を持ちたがるわ。巫女様だって『お友達』の頼みなら、利用されてくれるんじゃない?」

「ブルーベリーのとこはあんたみたいに汚くなんかないよ!」

我慢できないとでも言うようにレモンが割り込んだ。ラベンダーはそれを一瞥して、語りに戻る。









CreationDate:2005.08.18
ModificationDate:2015.04.11




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