Episode4.04

「どこ行くんだよ」

ソルトを追って着いた場所は職員用の玄関で、そこには丁度帰宅しようとしているラベンダーがいた。
ソルトから投げ掛けられた言葉に、気付いていたのか驚いた様子もなく振り向く。

「あら、みなさん、どうしてここに?」

「疑問で返すなよ。…まだ学校は終わってねぇだろ」

「実家から連絡があって急遽帰らないといけなくなってしまったのよ」

刺々しいソルトに、少し困ったように笑ってラベンダーは答えた。
ラベンダーの態度に別段不審な様子は見られず、 ソルトが勝手にラベンダーに突っかかっているような状況に戸惑うみんな。

「あいつはどこだ」

「あいつってだあれ?」

「誤魔化すなよ、ナイトビュッフェ」

ラベンダーはその言葉を聞いてうふふ、と笑う。

「彼女なら、お使いに行って貰ったのよ」




「…すこぉし、遠いところに、ね」

ゆるりとした笑顔が瞬く間に悪意に満ちた薄笑いへと変わった。

「てめぇ!」

「あなた、彼女に何も教えてなかったのね」

近いし、あなたに伝えておくから大丈夫って言っただけで簡単に行ってくれたわよ。

「自分が仔兎だってことも知らずに」

クスクスと愉しそうに笑いながら話すラベンダーとその内容に、蚊帳の外のクラスメートも何か不穏なものを感じたのか気を引き締めた。

「彼女に教えなかったのは、あなたにも危機感がなかったからなのか、…それとも教えたくなかったのか」

「…まれ」

「危機感がないわけないわよね?あなたも彼女のせいで犠牲になった「黙れ!」…健気ねぇ」

キルシュとレモン、カシス、ガナッシュがソルトを庇うように間に入る。

「よくわからないけど、シュガーが大変なんだろ?あんたは早く行ってやりな!」

「!レモン…」

「あらあら、友情ってやつかしら?可愛らしいわね」

「ここは俺達に任せて早く行け!」

「キルシュ…頼んだぜ」

ソルトはポケットから何かを取り出しレモンに預けると、職員用玄関(裏口)から外に飛び出した。









CreationDate:2005.08.18
ModificationDate:2015.04.11




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