Episode4.03

教室に戻ったソルトは、指で机を叩きながら苛々していた。

マドレーヌと校長の不在。別に二人同時に居ない事がおかしいわけではない。それぞれの用が重なる事だってあるだろう。
臨時で担当する教師。マドレーヌが居ないのであれば誰かが来るのは当たり前だ。
自分が何に納得出来ていないのかもわからない。


「あんなにスパルタだったっけ?」

「補習の時は天使だったっぴ!」

そう言えばこいつらは面識があるんだったな、とソルトはキルシュとピスタチオの会話に割り込んだ。

「おい…ラベンダーのファミリーネームわかるか?」

「えっ?…なんだったっぴか。言ってたけど…えーと、ナイ…?」

「ナ?…ナイト…ナイトバフェットだ!」

ナイトバフェット。
机からノートを取り出し、書きなぐる。


Nightbaffetto?いや、buffetか?別に変わった名前ではない。なんだ、何が引っかかるんだ。


ソルトの様子がおかしいことに気付いたみんなが机の周りに集まった。

「どうしたヌ〜?」

「わかんねぇけど、何か引っ掛かんだよ」

「引っ掛かるってあの先生か?」

「ああ、多分」

「普通の先生に見えますの」

「…けどソルトの勘はよく当たるからな」

「ラベンダー・ナイトバフェット?特に聞いたことないね」

「…ナイトってこっちかと思った」

そう言ってキャンディが左端に一文字書き込む。
K。Knightbuffet。
ノートを覗きこんだブルーベリーが「えっ」と声を上げた。

「…本当にナイトバフェットって言ってた?」

「どういうことだ?」

「だって、この綴り、ナイトビュッフェよ」

「ッテ、モシカシテ」

「ええ、家と同じく王様の側近の一家」

それを聞いたソルトは焦ったように席を立つ。

「うわっ!吃驚した!いきなりなに!?」

「おい、あいつは!?」

「あいつって?」

「シュガーだ!」

「…そう言えばトイレに行くって言ってから戻ってきてないね」

「…ざけんなよ…!」

「「ソルト!?」」

聞き終わるか否や走って教室を出るソルトに、ただ事ではないと感じたみんなは後を追った。









CreationDate:2005.08.18
ModificationDate:2015.04.10




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