Episode4.02

「トイレ行ってくる…」

疲労感から机にへばりついていたシュガーが、ゆっくりと教室を出る。

ソルトも教室を出て、校長室に向かった。


校長室をノックしても返事が聞こえず、ドアノブを回すが鍵が掛かっている。
通りかかった教師に、今日は校長先生は用があるらしくて休みらしいよ、と教えられ、やはり釈然としないものを感じながら教室に戻った。





その頃、シュガーはトイレから出たところをラベンダーに呼び止められていた。

「フレイヴァさん、今時間平気?」

「はい」

「次の時間にするつもりだった参考教材がなくなってしまって。ここからちょっと行ったところに売っているのだけど、買ってきてもらえないかしら?」

「大丈夫ですよ!」

「ありがとう、助かるわ」

ラベンダーはシュガーにお金を渡す。

「ソルトは…」

「フレイヴァくんがどうしたの?」

「いえ、なんかソルトが街に出るときは俺に言えって言うので」

そう言うと、ラベンダーは微笑み、心配性なのね。と呟いた。

「え…?」

「フレイヴァさんは可愛らしいから、一人で街に出すのが心配なんじゃないかしら」

「いや、そんなことはっ!」

「フレイヴァくんは校長先生と大事な話があるみたいで校長室に行ったわ。ここは町より近いから心配するほどの距離でもないし、なんだったら後で私から伝えておくから大丈夫よ」

シュガーが否定するのを遮って、ラベンダーはお願いね、と紙に書いた地図を渡す。
ラベンダーのやんわりとした強制に、シュガーは戸惑いながらも了承した。

「裏口から出る方がわかりやすいわ」

ラベンダーはシュガーを連れて裏門へ行く。


「行ってらっしゃい」

「…はい、行ってきます」


シュガーが門を出た後、残ったラベンダーは冷たさを感じる笑顔を浮かべながら踵を返した。









CreationDate:2005.08.18
ModificationDate:2015.04.10




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