Episode3.04

「セキュリティ解除したけど」

「オイラ、帰るっぴ!」

シュガーの言葉に、びくりと震えたピスタチオはこれ以上中に居たくないと首を振る。

「お、俺も用を思い出したぜ!」

「…私も帰るわ」

今回は色々と衝撃的なことが多過ぎて疲れたということで解散となった。

「…もう大丈夫なのにー」





先程の出来事を話しながら帰路につく。勿論寮の場所は違うため男女分かれてだが、話されてる話題は同じだった。

「シュガーの部屋に鍵掛かってないのって、必要ないからなんだね…」

「流石の泥棒でも無理ですの」

「あれを乗り越えられる人がいたら見てみたいよ」

確かに、と言い合う女の子たちの会話を聞いているものが一人。それに気付くものはいない。









「空き巣入ったよ」

次の日、あいさつをし合うクラスメートに報告するシュガー。

「「えっ」」

「みんなが帰ってから入ったみたい」

「大丈夫だったの?!」

「なんか気絶してたから先生に引き渡した」

みんなの脳裏に浮かぶのは、昨日の痩せこけたピスタチオだ。

「…大丈夫、そうだね」



「なんなら寮全体にセキュリティ機能つけてもいいんだけど」

「「「やめて」」」

みんなが口を揃えた。



意識を取り戻した泥棒が泣きながら語った証言によると、今までの犯行は全て一人でしたものらしく、ウィルオウィスプには平穏な日常が戻ってきたのだった。









CreationDate:2005.07.03
ModificationDate:2015.04.09




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