Episode3.03 …ああ、あの時無事でよかった。 シードル、ガナッシュ、カシスの三人はピスタチオを見て思った。 クラスメートが顔を真っ青にして固まる中、シュガーとソルトが部屋に入る。 「みんなはちょっとココで待っててね」 全員が壊れるくらい首を縦に振る。 『オ帰リナサイマセ、シュガー様。イラッシャイマセ、ソルト様。トコロデ、不法侵入者、一匹発見イタシマシタ。地下牢ノ映像ヲ見マスカ?ソレトモスグニ出シマスカ?』 「映像見せろ」 「ついでにスイッチ切ってね」 ──こいつらは鬼だ。 みんなはピスタチオに同情した。 天井から大きめのテレビが下り、パッと映像が映って見えたのは、ボロ雑巾化し、一気に老けて、目に光が入っていないピスタチオ。 「「!!!!!」」 牢からもこちらが見えるらしく、ピスタチオは涙と鼻水をたらした汚い顔で必死にシュガーに助けを求めた。 『もうオイラ何もしないっぴ!!!出してくれっぴ!!ここ怖いっぴ!!変な音がするっぴ!!』 変な音…? 疑問に思って耳を澄ませると、微かに聴こえる何かを引きずるような音とすすり泣く女性の声。 「お、いいねー!新しく設置してみたけど精神的にキてるね!ピスタチオ!実験台になってくれてありがとう!」 ──こいつは最低だ。 みんなはピスタチオに同情した。 (勝手に入ったピスタチオの自業自得なのはわかっているが、可哀想すぎた) 『お願いだから出してくれっぴ!!』 「出して」 シュガーの一言で床が開き、ピスタチオが放り投げられたように転がり出る。 「シードルー!!!怖かったっぴーー!!!」 「何で僕」 シードルに飛び付こうとしたピスタチオは避けられ、そのままその後ろにいたカベルネに抱きついた。 「俺も怖かったヌ〜!!」 シュガーとソルトを除いたみんなは、心の中で同意したのだった。 CreationDate:2005.07.03 ModificationDate:2015.04.09 [ 3/4 ] [ 39/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |