Episode3.01 「シュガーの部屋見たいっぴ!」 ピスタチオの不幸はここから始まった。 「戸締まりはきっちりすること!」 朝のホームルームでマドレーヌが注意を促す。 どうやら最近寮の中で空き巣が流行っているらしく、それも殆どが女子寮で、中には下着も盗られた者もいると言うことで、学校はピリピリとしていた。 ウィルオウィスプはなかなかにセキュリティの厳しい学校である。魔法の使えない者、使えても在学生や卒業生以外は事務室で止められ、許可が出ない限りそれ以上中には入れない。 ただ、二十四時間ずっといるわけではなく、それに侵入しても気付かれにくい場所もあるため、その穴を狙って入り込まれているらしい。 「最近どうも守衛が多いとおもったらそういうことだったのね」 「事務室も二十四時間いるみたいだしね」 教室がざわめく。 「空き巣っていうか下着泥棒でしょ?」 呆れたように言うシードルに、違うみたいだぜ、とカシスが否定した。 「下着は最近らしい。最初は貴金属とか宝石メインだったみたいだ」 「まあ男よりは女の方が持ってる確率は高いよね」 「シュガーは部屋も広いし狙われるんじゃないか?」 レモンの言葉にカベルネが反応する。 「広い?どういうことだヌ〜?」 「角部屋だったし、校長先生に聞いたら改装してもいいよーって言ってくれたから」 それは改装じゃなくて増築というのでは、とオリーブは心の中で突っ込んだが口には出さなかった。 「ずるいっぴー!」 「ピスタチオも自分で広くすればいいじゃん」 「できるわけないっぴ!」 シュガーの部屋が広いことにピスタチオが駄々をこね、冒頭に戻る。 「別にいいけど」 放課後、何故かみんなで行くことになった。 CreationDate:2005.07.03 ModificationDate:2015.04.09 [ 1/4 ] [ 37/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |