Episode2.04.Side-R- 「ちょっと!どうすんの!?」 どうすっかなーと特に真剣味を見せないソルトにシードルが怒鳴る。 「ちゃんと考えてよ!…あれ?…風…左の道から風が来てるっ!」 左を見ながら叫ぶシードルの言葉に、ソルトとガナッシュはそういうことかと察した。 「これもれっきとしたクイズだ」 「どういう事?」 「看板がこんなきっちり切れるわけ無い。…作為が無い限り」 「破片も無い。左の道だけ風が出ている。多分、ここから推理をして行けって事だと思う」 ガナッシュがソルトの後を引き継いで言う。 「…って事は‘右’だね」 「…お前、右左もわかんなくなったのか?」 「風があるってことは出口だろ?」 「馬鹿!」 シードルに馬鹿と言われた二人は表情に出さないまでもかなりのダメージを受けた。 「考えても見てごらんよ。さっき」 “黄金の笹の葉は何故黄金か” 「その問題で、君なんて答えた?」 「そうか!」 ――金の粉がついている 「風があったらここまで粉が飛ぶはずだ」 「無いって事は…」 「「右だ!」」 三人は右の道を選択した。 歩き続けて数十分、光も無い洞窟なのに奥が輝っているのを見つけ、三人はそれに向かって早足で歩く。 「うわ、すごい…」 金色の粉がついた笹は、まるでその物自身が発光しているかのように光っていた。 「あいつらは、まだか」 ぼそりとソルトが口に出すと、ガナッシュが奥を見てソルトに指し示す。 「あそこに二つ道が有る」 「多分、一つは出口で一つは二人が行った道だな」 「なら迎えに行こうよ!」 「無理だ」 「どうして!」 シードルの疑問にソルトは道を指差して言う。 「多分あっちの道から風が来てるから出口だ。もう一つが二人の居る方向。もし俺達が二人を助けに行って、さっきみたいに『出口』が閉まったらどうする?」 「そう、だね…」 「大丈夫だろ。…腹立つけどカシスもいるし」 「ああ」 出口だろう場所から流れゆく風は、まだ現れない二人がいる道一本に繋がっていた。 粉を…道連れに。 CreationDate:2005.07.14 ModificationDate:2015.04.07 [ 4/8 ] [ 32/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |