Episode2.03.Side-R- 「大丈夫か?」 ソルトが同じ道に入ってきた二人に声を掛ける。 「あ、ああ…」 「うん。大丈夫」 ソルトと同じく右の道に入り込んだガナッシュとシードルは、先程までいた場所を見ながら答えた。 天井の落ちた分岐点は、石や岩で少しの隙間しかなく戻ることは到底不可能だ。 「…これ、もう前に進むしかないね」 「シュガーとカシスは…」 「…左だな」 ソルトはチッと舌打ちをする。 「カシス?」 「…確かにあいつと一緒ってのは気にいらねーが違げぇ。金の笹は毒植物だ。水に濡れると幻覚を見せる」 「じゃあ…」 「向こうは多分、それだろ」 「だが、ただの幻覚なら心配する事もないんじゃないか?」 「幻覚作用は…」 顔を顰めてそれ以上口をつぐむソルトに、シードルとガナッシュは顔を見合わせて首をかしげた。 「あいつは効き易いからな」 無言で歩き続ける三人の前にまた看板が現れる。 その奥は二つの道に別れていた。 黄金の笹は何故黄金か。 金の粉がついている為…右へ。 金に光っている為…左へ。 「右だな」 ソルトは特に止まることも考えることもなく右の道に入る。 「ちょっと待ってよ!」 「…」 二人も後を追いかけるように入る。 またもや天井が落ち、入口を封鎖した。 「…もう戻れねぇってわけか」 「本当に大丈夫なの?!」 「薬品の事ならな」 それから先も、金の粉には毒があるか、どうすれば毒が出るか、などソルトにとってはとてもた易い問題ばかりが出る。 早々に先に進む三人だが、最後と思われる看板で漸くソルトは立ち止まった。 「どうした?」 ソルトは無言で看板を指差す。 これが最後の問題です。 間違えれば…勿論死が待っています。 ゴールはどちらか。 看板はそこから先が切れていた。 CreationDate:2005.07.14 ModificationDate:2015.04.07 [ 3/8 ] [ 31/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |