Episode1.03

「おはよ」

「…おう」

学校が始まる朝、シードル、カシス、ガナッシュの三人はいつものように無理矢理ソルトを起こすために集まった。

「シュガーはまだ来てないのか」

シュガーは大抵ソルトの部屋に入り浸っている。一緒に寝てることもあるし、三人のように朝に来ることもある。今日はどうやら後者のようだ。

シュガーを待っている間、シードルが思い出したかのように声を上げ、一枚のチラシを取り出した。

「ねえこれ知ってる?最近一部の間で人気があるみたいなんだけど」

「いや、聞いたことないな」

「ウィルオウィスプの生徒なのか?」

「わかんない。住所も学校だけだし、名前もないし」


寮や学校に対する郵便物は一纏めにしてウィルオウィスプに届く。
事務員がそれを分け、それぞれの部屋に届けるのだが、職員はこれの正体を知っているのだろうか。


「ソルトは?聞いたことある?」

そう言いながら寝起きでぼやっとしているソルトに紙を突き付けると、ソルトは大きなあくびをしながら紙を受け取った。


「…あ?なんだこれか」

「え!?知ってるの!?」

「シュガーだよ」

「はっ!?」


驚く三人に全く気を向けず、時計を見る。

「遅ぇな、あいつ」

確かにいつもであればこの時間にシュガーがいないことはない。
驚いていた三人も時計に目をやった。

「寝坊か?」

「珍しいな」

「起こしに行った方がいいんじゃない?」


チラシについてはシュガーがいる時に聞くことにしようと、三人とソルトを入れた四人はシュガーの部屋に向かった。









CreationDate:2005.07.24
ModificationDate:2015.03.29




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