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「おはよう!」

五人で連れ立って挨拶をしながら教室に入る。ソルトのせいで時間もギリギリだったからか、中は全員揃っていた。

「おはよっ…!?」

「えっ?誰だ?」

「シュガー…?」

一番近くにいたキルシュは固まり、きょとんとこちらを見るセサミ。
もしかして、とオリーブが名前を呼ぶのに肯定すると、初日のように叫び声が響いた。

「え!?最初からこんな感じだったっけ!?」

「モットオリエンタルダッダヨウナ」

「染めたの〜?」

みんなが困惑する中、アランシアがマイペースに聞く。
その疑問にざわざわした空気が収まり、静かにこちらを伺うクラスメートに昨日した説明を繰り返した。
追記すると、私が変えられるのは色だけでなく髪の長さと質もである。


「へー面白いヌ〜」

「なんかソルトの血縁って感じー」

「今度は私とお揃いのピンクが良いと思いますの!」

「ピンクの悪魔が増えるっぴ!「ピスタチオちゃん?」…ごめんだっぴー!」


きっとこの人達なら私を私と受け入れてくれると思っていたけれど、不安は感じていた。


「シュガーの考えてることはわかるよ」

「え…」

「シュガーはシュガー。会って少ししか経っていなくても、私達が知ってるシュガーは『シュガー』よ」


その不安が顔に出ていたのだろう、レモンとブルーベリーが言い聞かせるように話す。
はっきりと口にしてくれるとやっぱり安心するもので。


「…ありがとう…ってちょっとカシス!」


はにかみつつ言う私の頭をぐしゃぐしゃとかき回すカシスに抗議して、周りは笑って、その中に私も入ってて。
私はここにいていいんだと実感した。





ところでさっきはつっこまなかったけど、ペシュはピンクの悪魔って言われてるんだ…。










CreationDate:2005.05.29
ModificationDate:2015.03.27




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