14 「ところで二人、あまり似てないよね。色の系統が違うからかな」 「色の系統?」 「うん。ソルトは茶髪緑目だけど、シュガーは黒髪黒目でしょう?」 そう言いながら私とソルトを見比べるシードル。 ソルトはそれを聞きながら不機嫌そうにこちらを見やった。 「っつーかいつ色戻すんだよ」 「え?本当はその色じゃないのか?」 「あー…まあ、ね」 不思議そうに尋ねるカシスに曖昧に返しながら、「なんだよその色」と言い捨てるソルトに言い訳する。 「今まで居たとこはこれが普通だったから、その流れでそのままに…。戻すにしても、もうこれで自己紹介してるわけだし、今更、」 「俺は前の色が好きだって言ってんだよ」 言い終わらないうちに口を挟んだソルトの言葉に目を見開いた。 今、好きって言った?あの天の邪鬼なソルトが? …まあ、この色はクラスメートと校長先生以外見られてないし、別に良いかな。 きっとみんななら受け入れてくれるだろう。 ソルトに甘いことに自覚がある私は、しょうがないなと言いながら念じる。 瞬く間に髪は金色、目は紫色に変化した。 「え…?」 「私ね、 髪と目の色が変えられるの。元々の色は多分自分でも分からないから無いと思うんだけど、今まではお父さんとお母さんの色を半分ずつ貰って、これで過ごしてたんだよ」 「良いねぇ、イメチェンし放題じゃん」 「色を変えるだけで随分印象変わるもんだな」 「こうなると雰囲気似てるね」 驚く三人に説明する。彼らは各々の反応を返してくれ、ソルトは「やっぱりこれだな」と満足そうに頷いていた。 「確かにこれならソルトと双子って言われても納得できる」 そう言うガナッシュに同意する二人。 似てる、だって。嬉しいな。 「けどシードルの色と近いから、二人は二人でなんとなく似てるような気がするな」 「あ、…っいたたたた!ちょっと!何するのさ!」 カシスの言葉にシードルが何かを言おうとするが、ソルトが頭を掴んで止めた為にその先は聞けなかった。 「休憩は終わりだ。さっさとやるぞ」 CreationDate:2005.01.31 ModificationDate:2015.03.26 [ 14/18 ] [ 14/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |