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部屋に戻り、メンバーに荷物の移動を頼んだ。
大まかにでも移動して貰えば、後々広くして動かすときに一人でできるだろう。

みんなが動いてる中、私はさっきの部屋から持ち出した物を組み立てている。

「何してるの?」

「ん?セキュリティ造り」

気になったのだろう、聞いてきたシードルに答えると、シードルはよりよく分からなくなったという顔をして荷物の移動に戻った。

これはソルトと一緒にいると覚えざるを得なくなる『意味の分からなそうな事には触れない』現象!

どうも私はソルトくらい面倒だと思われているようだ。失礼すぎる。


このセキュリティシステムは前の家から解体して持ってきたもの(ここに来る前に済ませた『やるべき事』はこのことである)だからほぼほぼ完成してるものだし、残りは調整くらいだ。
そんなに時間もかからず終えるだろうと伸びをして四人を振り返ると、丁度そちらも休憩するようだった。


冷蔵庫を開けて、簡単な軽食とお茶を入れて持っていく。

「昨日の晩に作ってたものなんだけど、良かったら食べて」

「良いのか?」

「うん、手伝って貰ってるし」

ありがとう、いただきます。と各々手をつける。ちなみにソルトは良いのか?とガナッシュが聞く前にもう食べていた。


「美味いな!」

「うん、美味しい」

「…美味い」

「ありがとう!」

「茶お代わり。ついでにこれと同じやつ残ってたら持ってこいよ」

「…はいはい」


もうなにも言うまい。
まあ、味にうるさいソルトが要求するって言うのは、美味いって言葉と同等って分かってるから良いんだけどね。


…変わってないなあ。

緩む口元を抑えながら台所に向かった。










CreationDate:2004.09.25
ModificationDate:2015.03.26




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