12

初日の授業が終わり、下校ということでソルトを捕まえる。

「なんだよ」
「荷物の整理手伝って」

「自分でやれよめんどくさい」
「いやいやまあまあ」
「まあまあ、じゃねーよ」

抵抗するが無理矢理連れていかれることに諦めたのか、ソルトはすぐ近くにいたシードルを掴んだ。

「何!?」
「お前も道連れな」
「なんで僕まで!?…カシス!」
「はあ!?ちょ、…ガナッシュ!」
「!?」

ソルトに掴まれたシードルがカシスを掴み、そのまたカシスはガナッシュを掴む。

何故そこまで面倒に巻き込まれる感を出されているのか…と考えたが、どうせソルトに振り回されてるからソルトが関わると面倒な事態になると思われてるんだろうなぁ、と納得した。
どちらにしろ人手が増えてラッキーとか思ってる私は、やっぱりソルトの家族だった。











渡された鍵で開け、中に入る。お邪魔します、いらっしゃいなどの言葉を交わしたが、部屋に入るのは私も初めてである。

「おお…」

玄関に鎮座した大量の荷物におののく三人。ソルトは面倒くさそうに溜め息をついている。

「これちゃんと片付くのか?狭くね?」

「確かに荷物と部屋のバランスが…」

カシスの言葉に同意するガナッシュ。

部屋のまま持ってきてくれたのはありがたいけど、こんな乱雑に置くかね普通。

今日は遅くまでかかるだろうなぁ、と落胆した。まず部屋を広くしないといけないし。ていうか荷物はこれだけじゃない筈なんだけど、他はどこにいったのか。

そう思いながら部屋の奥に行くと、ドアが一つ付いているのを見つけた。

「ドア?」

そう言えばこの部屋の広さと外から見た建物の面積が違う。

中にあったのは私が探していた素材だった。ついでに隅に無造作に置いてある金は銀行に預金してたものだろう。

…いや、ありがたいんだけどね。
もっと置き方とかあったんじゃない?










CreationDate:2004.09.25
ModificationDate:2015.03.26




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