11 「それと、そうだなぁ、これは実際に経験した方がシュガーも解りやすくていいかな…」 そう言ってマドレーヌ先生はレモンを呼んだ。 今度はレモンと見合う形になったことに不思議に思いながら先生を見る。 「さっきの試合の、最初のパチパチをブルーカスケードで防いだ場面を、レモンはシュガー、シュガーはブルーベリーの役割でもう一度やってくれる?」 よくわからないが二人とも了承し、改めて見合う。開始の合図に先程の試合をなぞった。 パチパチが飛んできて、ブルーカスケードで壁を作る。パチパチの余波にチリッと指先が触れた、と思った瞬間、膝から力が抜けた。 「え…」 「シュガー!大丈夫!?」 レモンが慌てて近寄って起こしてくれるが、自分でも何が起こったのか理解できない。 「これも他言無用だけど、巫女は特殊効果がすっごく効きやすいの。 だから毒・美・音・雷に関しては特殊状態になりやすいから気を付けないとダメよ。特に今みたいに魔力が少なくなるほど効きやすくなって、ちょっとした余波で特殊効果を受けてしまう。 シュガーは全属性持ちだから魔法ダメージは低いけど、特殊効果は効きやすいのが欠点よ。因みに薬は効き難くて、『麻痺治しの薬』とかはあんまり効かないからそこも注意ね」 え!ダメじゃん! 収まってきたしびれに、レモンにお礼を言って自分で立つ。しびれでまだ良かった。麻痺になるとなかなか面倒くさそうだ。 「つまり、科学的に作られたものは効きづらくて自然のものなら効きやすいってこと」 なるほど…色々と不便だなぁ。 「まあ俺は知ってたけど」 みんなが感心してる中、ソルトが呟く。 えっ、もしかして私がよく実験台にされてたのは、薬に強いから!? そう思って抗議しようとすると、とてもキレイな笑みを向けられて黙らざるをえなくなった。 あれはつついてはいけない藪である。 CreationDate:2004.08.19 ModificationDate:2015.03.21 [ 11/18 ] [ 11/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |