10 「なんで雷が水を、」 「魔法は全て純粋な物質、純粋な水は電気を通さない。だから雷は水よりも弱かった。それなら、純粋じゃなくて混合物にするまで」 多分みんなの代弁をしただろうガナッシュに、手の中にある瓶を見せつつ説明する。瓶のネームには水酸化ナトリウム水溶液。 水に水酸化ナトリウムを溶かすと電気が通りやすくなる。単純な理科知識だ。 「でも水に混ぜてる様子なんて無かったよ?」 水酸化ナトリウムは水に電気を通すようになるが、確かに混ぜなければ、水溶液にならなければ意味がない。 最もなシードルの疑問に、ソルトが解説してくれた。 「前面に出したパチパチ、螺旋状に回ってただろ。それが水と水酸化ナトリウムを混ぜる役割だったんだよ」 「へぇ!!シュガーやるじゃん!」 「レモン、ありがとう。…あ、ブルーベリー、大丈夫だった?」 「ええ、大丈夫よ。ありがとう、勉強になったわ」 「こっちこそ!」 ブルーベリーと握手を交わしているとマドレーヌ先生が注目!と声をあげた。 「素晴らしい試合でした。今回見たように、魔法の使い方は色々あります。ブルーベリーのように攻撃魔法でも上手く使えば自分を守ることができます。シュガーのように魔法と科学を合わせることによって新しい効果を産み出すこともできます。 今回二人に実戦を頼んだのは、一つに囚われない思考を生かせると思ったからです。 まさかここまで柔軟に魔法を使うとは思わなかったけどね。先生の考えを越えたとても良い使い方でした」 二人とも、ありがとね。と、ウインクをした。 似合うなあ、ウインク。 CreationDate:2004.08.19 ModificationDate:2015.03.20 [ 10/18 ] [ 10/59 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |