眠りの歌姫 | ナノ



02



「…はあ」

賑やかなAクラスの教室で、私はひっそりとため息をつく。

「ハル。まだ見つからないのか」
「あ、聖川様。はい、実は…」

私のパートナーさんは入学してから二ヶ月で家庭の事情という理由で学校をやめてしまっていた。アイドルと作曲家、二人一組のデビューが基本の早乙女学園で、作曲家一人というのはデビュー以前に卒業オーディションにすら出られない。困った私は同じくパートナーがいないアイドル志望の方々をあたっているが、ことごとく玉砕している。

「俺が七海のパートナーになりたいけど…そういうわけにはいかないし」
「そうですね、僕もなんとかハルちゃんの力になりたいですけど」

一十木君に聖川様に四ノ宮さん。パートナーのいない私を気遣ってくれる私の素敵なお友達。

「大丈夫です!まだSクラスの方には聞いてませんから」

心配はかけられないと思い、私はそういうが、つまりはSクラス以外は全滅ということで…エリート集まるSクラスの方が私のパートナーになるはずがないと、この時私は半ば諦めていた。





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