ミーハー | ナノ



「スキンヘッド!?ラテン系!?」




次の日

「おはよー蓮二!今日もかっこいいね」
「ああおはよう、お前は今日も残念だな」

俺達の朝はこのやり取りから始まる。

「テニス部って朝練あるんだねーお疲れ様ー」
「ああ。…そういえばお前、昨日俺の後輩に会っただろう?」
「後輩?」
「癖の強い黒髪の…………………イケメンだ」
「ああ!!あの子蓮二くんの後輩だったんだ!て事はテニス部!いいねーポイント高いよーやっぱ生意気キャラ?負けん気が強いとかだったマジ最高だy…
「怜香ストップ」

これが無ければ、普通の女子なんだがな…

「やっぱりテニス部はレベル高いねーバスケ部も昨日見てきたけど、仙道君と橘君以外は普通の殿方だったよー」

怜香は腕組みをしながらうんうんと頷いている。…この後の二クラス合同体育が心配になってきた。


グラウンド

体育は男女別の授業となった。女子が体育館で柔軟。男子は野球だ。…まあこれなら大丈夫だろう…はあ…

「大丈夫か?柳…疲れてるのか?」
「ああジャッカル、多少な」

今日はジャッカルのクラスと合同だ。

「例の転入生か?」
「ああ…お前も気をつけた方がいいな」
「俺も?」
「あいつは…怜香はイケメンに見境がない」

「私が何ー?」

「だから怜香は…………………。」
「私が?」
「………女子は体育館で柔軟の筈だろう…何故居る?」
「いやーグラウンドに体育倉庫の鍵を渡しに来たんだよーそしたら帰り方わかんなくなっちゃって」

そういえば方向音痴だったな…

「んでさ迷ってたら蓮二くん見つけたから道教えてもらおうと思って」
「…そうか」
「体育館ならそこの角を曲がって真っ直ぐだぜ」
「おーありがとー……………」

ジャッカル…。俺はお前のその、困っている人をほっとけない性格は素晴らしいと思うが…時と場合は選んだ方がいいぞ。

「…………」
「…お、おい…どうしたんだ?」
「……ス…」
「”ス”?」

「スキンヘッド!?ラテン系!?」

「…は?」
「…はあ……」

「色黒の肌にスキンヘッド!頭の形が良くないと出来ない素晴らしい髪型!今までいろんなスキンヘッド見てきたけど君が一番かっこいいよ!」

「柳…もしかしてこいつが…」
「ああそうだ」

「しかも親切に道まで教えてくれる辺りすごい性格いいよねいいでしょ?頼まれたら断れないタイプ?そんな感じする」
「……ああ…合ってる」
「やっぱりー!そんな苦労している貴方にはこれをあげよう」
「お、わりぃな」
「…………」

そのムースポッキーはどこから出した…

「おお!その”わりぃな”もっかい!」
「こ、こうか?」
「いいねー色黒だから歯がすごい白く見えるし光ってる!」

だからそのカメラはどこから出した…

怜香は2、3個のカメラをもってジャッカルを撮影中だ。

「コラー!そこ何をしている!!!」
「!」

この人は体育科の山田先生。頑固として有名で、没収したものは何をされても返さない…生徒の中で恐れられている先生だ。

「あ、先生こんにちはー」
「秋津!女子は体育館で柔軟だぞ!そのカメラは没収だ!!」
「はいどうぞ」


怜香が渡したのは数枚の写真だ。

「写真ではなくカメラを………っ!?」
「保健室の清水先生綺麗ですよねー山田先生もそう思いません?」
「あ、ああ…」
「それで、先生は私に何か用ですか?」
「…………」
「…………」
「…た、体育館に速やかに帰るんだぞー」
「はーい」

「………あいつすげえな」
「………ああ」

そういえば昨日教員のデータを渡したな。これの為か…

「特技は危機回避能力だから」

怜香はそういってふわりと笑った。








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