ミーハー | ナノ
「…ミーハー通り越して別次元にいる奴」
昼休みになった。
「俺は部活の仲間と屋上で食べるが…」
「おぉ!いってらっしゃーい、私もさっき女の子達に誘われちゃった☆」
「…………………よかったな」
「その間はなんだいその間は」
屋上
他愛のない話から急に精市が言った。
「そういえば蓮二のクラスに転入生が来たんだって?」
「……ああ」
「…………」
俺と丸井のテンションは一気に下がった。
「どうしたんすか?柳先輩に丸井先輩」
「いや、なんでもねーよぃ」
「なんでもない顔ではないだろう!何があったのだ!」
「転入生絡みかのぅ?」
「……まあ、そんなとこ」
「はあ…精市、この話はもうやめy…
「どんな人だい?」
「…………」
精市…楽しんでるだろう。
当たり前だろ?
…幻聴が聞こえる…俺も末期か。
「もしかしてミーハーだったのですか?」
柳生が恐る恐る聞いてくる。
「…………」
「…………」
「二人とも黙ってたらわからないよ」
ブン太、お前もあいつをミーハーと呼んでいいのか迷っているのか。わかるぞ、その気持ち。
そしてブン太が重い口を開いた。
「あいつは…」
「「「あいつは?」」」
「…ミーハー通り越して別次元にいる奴」
「「「はあ?」」」
ブン太…よくあいつにあう言葉を見つけたな…俺のデータを更新しておこう。
一方その頃
「くっしゅん!」
「秋津さん、風邪?大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ会長さん。きっと誰かが噂してるんだねー」
「そう…あ、写真なんだけど」
「ああお金?いらないいらない!そのかわり、また撮って来るから彼等に近づくこと許してね」
「えぇ!もちろん!!」
初日でファンクラブを手玉に取る怜香であった。