ミーハー | ナノ



「おぉ!赤い髪のイケメンさん!」




今は二時間目が終わったところだ。怜香はというと…すっかりクラスに溶け込んでいた。元々イケメンが好きという部分を除けば気さくで明るく話やすいタイプだ。溶け込めないわけがない。
…ん?何を渡しているんだ?

次の休み時間

「怜香」
「なんだい?イケメン蓮二くん」
「…………………………さっきクラスの女子に何を渡していた?」
「間長くない?ああアレ?写真だよ写真」
「写真?なんの写真だ」
「おかっぱ時代の蓮二くん」
「…………」
「…………」
「…………」

ゴツ!

「いたっ!」

全くこいつは…

「うぅ蓮二くん、ひどいわ!!!女の子をげんこつで殴るなんて!!!」
「……………………………………………………」
「ごめんなさいごめんなさい調子に乗りましたスイマセンだからその軽蔑の眼差しはやめてください」
「…いいからおとなしくしていろ」
「…はーい」

「…………」
「…………」
足をぶらぶらさせてみる。

「…………」
「…………」
ボールペンをカチカチしてみる。

「…………」←総無視
「…………」←暇

「…………」
「……Zzzz」

…することがなく寝たか。

「……Zzzz」

寝顔はかわいいのにな、本当にもったいない。


「柳ー!」

怜香が寝てからしばらくして、ブン太がやって来た。…大方教科書だろう。

「わりぃんだけど…」
「現国の教科書だろう?」
「あたり!貸してくれぃ!!」

ブン太に教科書を渡すとブン太は礼と言ってガムをくれた。グリーンアップル味か。

「そういや柳んとこ転入生が入って来たんだろ?」

ブン太はガムを口に放り込みながら、俺の前の席に座った。

「ああ」
「どいつ?」
「これだ」
「隣かよぃ!でミーハー??」
「………」

そこで俺は言葉に詰まった。奴はミーハーか?確かにイケメンは好きだが、他の女子のように厚化粧ではないし、香水臭くもない…どちらかと言えば性格はすぼらで、大雑把…。そもそもミーハーとは流行に流されやすい人種の事を言うから…ミーハーではない…?

「柳?」
「ああこいつは…」
「んー蓮二ーうるさ……い」
「ん?なんだ?」
「…………」

このタイミングで起きるのか…
怜香は目を擦りながら、ブン太を見て固まった。


「おぉ!赤い髪のイケメンさん!」


「……は?」
「…………」
「いいねー真っ赤なその髪の毛少しくせっ毛が入ってるところも最高だようんうん」
「おい柳…こいつどうしたんだよぃ」
「…………」
「”ぃ”!?口癖!?これは新しいポイント高いよイケメンさん!少し小さめの背に独特の語尾…素晴らしい素晴らしいね!」
「…………」
「…………」

さすがにブン太も引くか。

「で蓮二くん、この赤い髪のイケメンさんは一体誰だい?」

そこで俺に振るのか…

「部活仲間だ」
「…ま、丸井ブン太…シ、シクヨロ…☆」

片言だぞ…ブン太…

「シクヨロ☆!?すごいよイケメンさん!!そのポーズナイスだね!かっこいいよ!しかも蓮二と部活仲間ってことはテニス部でしょいいねーいいねーポイント高いねーねぇねぇ!もっかいシクヨロ☆ポーズとってよ!!」
「あ、ああ…」
「…………」

怜香はどこからともなく取り出したカメラでブン太を撮りまくる。…俺も一緒に撮られた。ここだけ雰囲気が異常だ…

「いやーイケメン最高!人類の宝だね」
「…つ、疲れたぜぃ」
「…俺もだ」
「えーテニス部なのに体力無ーい」
「「気疲れだ」」
「あーあ睨まないでよーせっかくのかわいい系イケメンさんが台なしだよーこれあげるからさ、機嫌直してよー」
「いらねー……っ!!」
「えーいらない?地域限定のムースポッキー」
「…し、仕方ねぇな!貰ってやるぜぃ!」
「…………」

ブン太…お前って奴は…


「丸井君かーイケメンさんだったなー甘い物好きとかもポイント高いよね」
「俺に話を振るな」








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