ミーハー | ナノ
はみ出し者の自覚
知らない通帳に振り込まれた謎の大金。
俺達名義で借りてあるこの部屋。
何故かテニスばかり流れるスポーツ番組。
跡部財閥という知らない巨大企業の宣伝。
仙道さんの推測はこうだ。
俺達は別々の世界からこの世界に連れてこられた。
…まあそう考えれば納得の行くことが多々ある。仙道さんの言う聖帝も俺のセント・リーフ・スクールも、知らない人は居ないほどの有名校だからだ。お互いが知らないのはおかしい。でもどうしてそういう発想にいたったのかが不思議で、俺は仙道さんに聞いてみた。
『俺様の知り合いにナァ…衣笠オバケって奴がいてよ。ソイツと居るとろくなことが起きねェ…』
とイライラした様子で答えてくれた。その衣笠さんというのは仙道さんの天敵らしい…
まあとりあえず俺達は、通えと指定されたような状況にある、立海大附属に行ってみることにした。
「…短パンっスか」
「あァ」
同じだったはずの制服。仙道さんのズボンは何故か短パンになっていた。俺様は夏でも冬でも短パンだゼェ!!…ということらしい。俺も指定ネクタイを緩めて学校に向かった。
歩いて15分もしない所、その学校はあった。私立立海大学附属高等学校は俺達を快く迎えてくれた。なんでもバスケのスポーツ特待生として集められたらしい。まさか仙道さんがバスケをするなんて知らなかったから、かなり驚いた。…仙道さんは俺がバスケをすることを知っていたようだ。フットワークがバスケぽかった、とのこと。
仙道さんは三年、俺はニ年。それぞれ明日からこの学校に通うことになった。
学校につくまでの15分。学校についてからの30分。俺は仙道さんの推薦が正しく思う様になった。
俺達は明らかに、異質だ。
世界から疎外されたような、そんな雰囲気が、俺には感じ取れた。仙道さんや俺には、何と言うか、この世界の人とは違うオーラの様なモノがある。
俺にはそれが気持ち悪くて仕方ない。
人に嫌われたことはある。つるむよりは一人が好きだ。
でも世界から拒絶されたようなこの感じは受け付けない。
仙道さんはこんなこと考えていないのか、飄々としている。
校長が、バスケ部の練習を見ていくといいと言ってくれたが、俺はそれさえも億劫だ。この疎外感をまた感じるだけだろう。
「おい、ケン!」
「…………」
「…クソ…」
「オイ!!」
「な、なんスか…!?」
いきなり仙道さんに頭を殴られた。
「バスケ部、行くぞ」
「え…い、いや俺は…」
「行くっつったら行くンダヨ!!」
そう言って仙道さんは俺の腕を問答無用で引っ張った。
−−−
だ、だれ…?
橘君病み過ぎ…!?
ラブレボで一番好きな子です。