ミーハー | ナノ



状況が理解できません



とりあえずリビングの様な部屋にて状況確認と簡単な自己紹介をした。俺より5cmも低かった仙道さん。…一つとはいえ年上には到底見えなかった。まあ独特の俺様オーラと滲み出るふてぶてしさから少し納得したが。仙道さんは聖帝学園という所から来たらしい。それなりに有名らしいが、俺は知らなかった。仙道さんも俺の通っていたセント・リーフ・スクールを知らなかった。…地元じゃかなり有名校なのに。

「オイ、ケン!ちょーっとコッチ来い!」

そんな事を考えていると、仙道さんに呼ばれた。…何か見つけたようだ。ちなみにケンとは俺の事。剣之助からケンらしい。

「どうしたんスか、仙道さん」
「コレ見ろよ」

仙道さんの視線の先には、見知らぬ制服二着と茶色の封筒。封筒には…

「立海大学附属高等学校編入許可のお知らせ…?」
「ココに通えってことらしーナァ…」

そういって仙道さんは封筒の中身を見せてきた。…仙道清春、橘剣之助…俺達の名前がしっかりと書かれていた。

「なァー、お前の知ってる一番の金持ちの名前、あげてみろ」
「一番…スか」

唐突にそんなことを聞かれ、俺は少し悩む。真っ先に出て来たのは二つ上の、一ノ瀬先輩のこと。一ノ瀬って言えば海外でも有名だ。

「一ノ瀬、ですね」
「……そうカぁ」

仙道さんは考えるような仕草をした。

「俺様の方は、真壁だな」
「真壁…」

初めて聞いた名前だ。仙道さんいわく、かなり大きな財閥らしいが、俺はわからなかった。

「突拍子のネェーこと言うけどよ」
「なんスか」

仙道さんは面倒そうな様子で


「俺達は、トリップって奴をしたんじゃネーカ?」
「は…?」


そう言った。










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