短編 | ナノ



HP 秘密の部屋



ついに秘密の部屋に突入。原作にこれから深く関わっていくのだと意気込む。

「ていうかいいのかい?女子トイレで真っ昼間から薬作ってて」
「平気よ、ここには誰も来ないわ」
「何で?」
「嘆きのマートルよ」
「嘆きのマートル?」

「私が嘆きのマートルだよ」

「うわああ!!!」
「マートル、ハリーとロンよ」
「よろしく」
「…よ、よろしく」
「明るくていい子よ、とってもね」

その後ポリジュース完成まで見守る。完成。

「ねーハーマイオニー」
「何?マートル」
「それ本当に髪の毛?」
「えぇ」
「本当に?」
「え、えぇ…」
「本 当 に ?」
「……………」

なんとかハーマイオニーの猫化を防止。

あ。ジニーだ。
あ。日記だ。
そうかあそこか。確か原作ではマートルがヒステリー起こして水浸しにするんだよね。どうしよう私そんなキャラじゃないな。どうしよう。

「やあマートル」
「あ、ハリー」

うわ水浸しじゃないのに来た。原作って偉大だわ。



ハーマイオニーが石になった。そろそろだ。そろそろ私の、マートルの出番。

「聞きたいことがあるんだ。君が死んだ時の話」

ハリーとロン。ハーマイオニーの立ち位置にはロックハート。

「そうね、実はあんまり覚えてないの」

私がマートルになってからの記憶は新しい。原作が始まるちょっと前にマートルになったから、私はマートルの生前を知らない。

「覚えてるのは、黄色い大きな目玉が2つ。手洗い場の傍だよ」

ハリーは手洗い場を調べ始め、やがてシューシューと鳴き出した。秘密の部屋の入口だ。

「行こう」
「うん」

ロックハートを突き落としてから、ハリーとロンも落ちて行った。

さて、どうしようか。出来れば生リドルを拝見したいところ。なんせマートルを殺し、あげくにハグリッドに罪をなすりつけた奴だ。ヴォルデモートでしかも大層なイケメンだとか。見たいなー。でもこわいなー。あ。よく考えれば私今ゴーストじゃん。死なないじゃん!

ガラガラドゴーン!!

あ。これはあれか?ロックハートが逆噴射してドゴーンの音か?ハリー1人だ。

よし。行こう。どうせ2度は死なないし。


「え!マートル!?」
「やあロン」
「君来たのかい!?」
「何かが崩れる音がしたから」

ロックハートはのびていた。

「ハリーの様子を見てくるね」

崩れた瓦礫を通り抜けてさっと進む。ハリーは扉に向かってシューシュー言っていた。蛇が動いて扉が開く。

「やあハリー」
「うわああ!!…ってマートル!?来たの!?」
「うん。ちょっと興味が沸いて」
「でも、危険なんだよ!?」

うん、ハリーのこういうとこ好きだな。彼は私が、マートルが、ゴーストである前に女性として扱ってくれる。ロンだとこうはいかない。

「ほーら先行っちゃうよー」
「あ、マートル!!」

ハリーの横をスーッと通り抜ければ、彼は急いで追い掛けて来る。

「ジニー!!!」

蛇がバーッとなってる廊下をキョロキョロしてたらハリーがジニーを見つけた。駆け出すハリーのあとをついていく。

「どうしよう!冷たい!!」
「落ち着いてハリー」

そう言ってみても興奮状態のハリーには届かない。そして

「目は覚めないよ」

涼やかな声が響いた。

「トム、トム=リドル?」

ここからスーパー放置ターイム!
リドルとハリーが話して、不死鳥来て、帽子落として、ハリーとバジリスクがどこかへ行った。

「さて、まさかこんなところで君に会うなんてね」
「私を殺した奴の面を拝みたくてね」
「…君には在学当時から興味があった。穢れた血の癖に強い魔力を持ってたり、それを隠したり。まさか、ゴーストになってるとはね」

…およ?マートルさん意外にリドルさんと仲良かったんですか?つーか成績悪いのはキャラかよ!

「…私が復讐しに来たとか思わないわけ?」
「ハッ、君はたかがゴーストだ。手出しできない。そこでハリー=ポッターとジニーが死ぬところを見ているといい」

…こいつ、鼻で笑いやがった。

「…自分だって日記の癖に」

ボソッと言ったのにリドルには聞こえていたようだ。睨まれた。

「一度サーニコラスが生徒の死を防いでる。ゴーストにだって出来ることがある」
「目はあの忌ま忌ましい鳥に潰された、バジリスクの牙の前に君はもう何も出来ない」
「…………」

むかつくなー、自分だって記憶で日記なのに!お前このあと日記刺されて死ぬんだぞちくしょー

あ、ハリー登場。バジリスクを振り切ったようだ。ジニーの傍に寄り添う。

うわーお、バジリスクも登場。あ、帽子から剣出た。

戦ってる。

あ、ハリーが剣を脳天に刺してバジリスク倒した。あ、腕に牙が刺さってる。痛そう。

「ジニー…」

毒の回りが早いのか、ハリーは気分が悪そうだ。

「バジリスクの毒はどうだ?素晴らしく回りが早いだろう」

このどや顔うざいな。つーかたかがゴーストって見下してる辺りうざいね、うん。自分だって記憶だし、ゴーストよりぺらぺらだと思うんだよ、うん。

あ、フォークス。涙で治してる。

つーかリドルさん。優等生なのに不死鳥の涙について知らなかったんですか。

「もうすぐジニーは死に、僕は復活する。ヴォルデモート卿の復活だ!!」

ここでハリーが日記に牙をぶっ刺すんだよね。

「…………」

あれ。ハリーさん。なに悔しそうな顔しちゃって。もう一歩も動けない感じですか?いやいやいや、不死鳥の涙って疲労回復は含まれてないの?それともあれか?私に復讐しろって言ってるの?

いいの?しちゃって。やっちゃうよ?

よしやろう。

「ジニー」

彼女の両頬に手をおいて、額をくっつける。

「…マートル?」

ぱーっと光りながら、するりとジニーの中へ。

目を開けて、ゆっくりと体を起こす。

「ジニー!!!」
「馬鹿な!?ゴーストが命を吹き込んだのか!?」

「残念、ハズレ。じゃあねリドル。君が死んだらトイレに住ませてあげるよ」

「なっ!?貴様ッ!!!!」

リドルが来る前に、日記に牙を刺す。

「ぐあっ!ああぁッ!!!」

うわ、インク出て来た。キタネ。ごめんよジニー、今度弁償するわ。あ。私金ない。

リドル消滅。あっけな。たかがゴーストにやられる気分はどうだろうね。

「ジニー…?」
「違う違う、私マートル」

そう言ってハリーを立ち上がらせて、フォークスを見る。

「あと二人居るんだけど、合流したら運んでくれる?」

フォークスは理解したように鳴いた。


瓦礫はまだ積もったまま。ジニーの杖を構えて消滅。崩れるかもと内心ヒヤヒヤだった。

「ジニー!!」

ロンの熱い抱擁をかわす。

「ごめんよロン。それは彼女が起きてからしてあげて」
「…どういうこと?」
「あとで話すよ」

フォークスと共に秘密の部屋を脱出。すると気が緩んだのか、強烈な睡魔に襲われる。一年前のハロウィンの時と同じ奴。私はジニーの体をロンに傾け、睡魔に身を委ねた。



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ここでリドル世代にトリップ。






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