微笑みの仮面劇 | ナノ
変化
そして彼女−真奈美は、よく私を尋ねて来るようになった。私も真奈美を見つけると話しかけるようになった。
「あ!優!今日ね−−−」
「へぇ、そうなんだ」
「うん!」
彼女はよく笑う。
「じゃあねー!」
「んー」
実に私の好きな笑顔だ。
ある日の昼下がり。私はいつものように呼び出しを受け、校舎裏に来ている。
でも…なんだか今日は、様子が変だ。
「ちょっとあんた、天宮さんにまで手を出すってどういうつもり!?」
「え?優はただ…」
「優、ですって!あの方はただ貴女に同情して付き合っているのよ!!」
「……っ…!」
「いい?貴女が愛美に対する態度を改めなかったら、貴女の”一番近くにいる人”が傷付くのよ」
「!!」
「覚悟しとくのね」
先輩方はそう言って帰って行った。
「私が、そばにいると…優が傷付く?」
私は先輩方の言ったことを復唱する。
「そんなの…そんなの駄目……!!!」
私は誰も居ない校舎裏で一人、叫んだ。
最後に会ってから3日。私は真奈美と会っていない。…いつもならあっちから来るのに。ちょっと行ってみるか。
そう思って廊下にでると
「あ、真奈美」
「っ!」
真奈美と会った
「どうしたの?最近来ないじゃない」
「う、うん。タイミングがあわなくて」
「そう」
そうか、入れ違いとかか
「じゃあ…私行くね!」
「んーじゃあね」
貴女が笑うから
気づけなかった
「………?」
なんだ?この違和感…
初めての友達だから
接し方がわからなくて
「………真奈美…?」
普段なら気づく事を
私は見逃したんだ
「気の…せいか…」
彼女の笑顔が
作り物だったことを