微笑みの仮面劇 | ナノ
接触
「ねー滝。どうなっちゃうのかな?俺達」
穂高ちゃんが死んじゃって、姫川の権力が増え、…どんどんテニス部が堕ちてゆく。
そんな様子に耐えられなくて、俺と滝は時々こうして部活を抜け出す。二人だけの屋上は気分がいい。
「さあ、わからないな」
「そうだよね」
昨日から新しいマネージャーが入った。
天宮さん。
今日の朝練も来てた。
彼女もまた、穂高ちゃんのようになるのだろうか。
その時
俺達はまた、見ないフリをするんだろう。
気付かないフリをして、ただ事が流れるのを待ってるだけ。
「ねー滝」
「何ジロー」
誰もいない屋上に風が吹く。
「俺達、最低だね」
「そうだな」
その時だった。
「そう自分を卑下する必要はないんじゃない?」
屋上によく通る声が響く。
振り向けば、毅然とした態度で、彼女はそこに居た。
「少なくとも貴方達より最低で屑な馬鹿はいるしね」
これが俺達と彼女の
初めての接触だった。
−−−
本編の補足…みたいな
この二人の話し方…わかんね←