鉄 | ナノ


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シャボンディ諸島で頂上戦争を見ていていたハートの海賊団だったが、船長の鶴の一声で出港し、戦争真っ只中のマリンフォードへ浮上した。

「そいつをここから逃がす!一旦俺に預けろ!俺は医者だ!!」

瀕死のルフィとジンベイをジャンバールが受け止めて、すぐさま潜水の準備に入るが、大将黄猿が迫っている。

「麦わらのルフィ〜、死の外科医ロー〜!!」
「くそ…!」

このままじゃ全滅しちまう、どうする。悩んでいるローの横を、よく知る影が通り過ぎた。
キィン!!と黄猿を刀で受け止めたフネはそのまま力任せに黄猿を弾き飛ばす。

「ローこのまま潜水してくれ、後で合流する」
「なっ!?」
「フネ!?!?」
「出来るわけねえだろ!戻れ!!おい!!」

言いたいことだけ言ったフネは空を駆け、次の攻撃を仕掛けようとした黄猿へ突っ込んでいく。

「アイツいつの間に空走れるようになってんのー!?!?」
「キャプテン!どうしよう!!!」
「くそ、」

重症の麦わらを執刀するには能力使用による体力低下は出来ない。一度引き受けた以上、医者としてのプライドがある。そもそも黄猿に隙がない。フネを回収したらそのままこちらに飛んできて全員囚われてしまう。
ローは大きく舌打ちをし、クルーに撤退の指示を出した。
「潜水する!フネが引きつけてる間に撤退だ!」
「あ!アイアイ!!」
「あのばか!!怪我したら殺してやる!!!」





「すげえ!!!あの女黄猿に食らいついてる!!」
トラファルガー・ローの船の殿に買って出た女に、海賊たちが湧き上がる。すぐに焼きちぎられておわりかと思いきや、どうやら覇気使いらしく黄猿に食らいついていた。


(強い。やっぱりキャラクターって、強い。)
フネは黄猿と対峙し、そんなことを思っていた。
武装色の覇気を纏わせてるのに大したダメージは与えられず、見聞色で先読みしているが間に合わない。強い。これが大将。

「なかなかやるねえ。お嬢ちゃん」
「っ」

弾き飛ばされ、凍った海面に叩きつけられる。光の速さで動く黄猿を目で追い、覇気で先読みするも、力の差は早々に明らかになった。
フネはチラリと後方を確認する。我らの潜水艦はもう海の中だ。よし、撤退しよう。勝てない。

「考え事かい?」
「!!」

文字通り光速で目の前に来た黄猿をなんとか刀で弾くも、体勢が大きく崩れた。やばい。受け身が取れない。
次の瞬間、ガラ空きの腹部に強烈な蹴りが叩き込まれた。

「ガァッ!!!」

咄嗟に腹部へ覇気を纏わせたが、間に合わなかった。凍った水面に叩きつけられ、海面が割れる。体が沈み、意識も霞む。凍っていない海まで叩き落とされた。

「さて、」
仕上げを、と黄猿が思ったその時、戦争を終わらせるべく赤髪海賊団がやってきた。

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