ナイフ | ナノ


IV



日本に着いた。幹部達は直ぐさま守護者と呼ばれる指輪を持つ人達を探しに出かけた。ヴァリアークオリティ、だったか。相変わらず一瞬で消えるから心臓に悪い。

ジェット機からザンザスの荷物やら幹部の荷物やらを運び出し、日本にあるヴァリアーの屋敷に直行。車の運転は出来ない。ザンザスの隣にちょこんと座る。

「おい犬」
「…それは、私ですか」
「てめぇ以外に誰がいる」
「…そうですね」
「日本にいる間に、車とバイク、乗れるようにしておけ」
「…日本にどのくらい滞在するんでしょうか」
「三日でカス共を消す」
「…三日、ですね。畏まりました」

車の運転、免許はどうすんだろ。ヴァリアーでなんとかしてくれんのか。それにしても三日か、また死に物狂いの教習部屋でもあるのかな。隊員さん達ここぞとばかりに殺しに掛かるから怖いんだよね。つーかお前も犬呼びかい!



「犬、出掛けるぞ」

荷物を全て車から下ろして、屋敷を一回りしている時だった。

どちらに、と言う前に私の身体は宙に浮かび、目を開けた瞬間…そこはどこかの崖の上。…なんだと。横を見れば幹部が全員揃ってる。レビィから鋭い視線を頂いた。あぁ、ザンザスに運ばれたからね。平然を装うべくザンザスから後ろに三歩下がった位置で秘書立ちをした。…犬呼びが定着してきてツライ。てか名前知ってんのかな。過去一回名乗ったけど。

崖の下には私より少し下くらいの少年達に、赤ん坊。…また赤ん坊か。もう驚かないって熱っ!!

「ちょっとボス!落ち着いて!!」
「俺達まで巻き込む気かぁ゙!?」

…いや君達はヴァリアークオリティとかで逃げられるでしょ。私一般人だから。普通に死ぬから。止めようと声をかけても死ぬ。そのままでも死ぬ。どちらの方が生存率高いかなとか考えてたら、なんか工事で良く使うアレが飛んできた。…つるはし、だっけ。

「…家光」

家光、さん。あぁ…最近書類でよく見る門外顧問とか言うやつの。その門外顧問が良くわかってないけど。

ついていけない話がドンドン進む。わかったのは指輪争奪戦なるものが開催されるとのこと。読み終わったらしい勅命は私に投げて寄越した。…争奪戦、ね。崖の下にいる少年達と戦うの?え、少年達危なくね。死んじゃうよ、ご愁傷様。


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