ナイフ | ナノ


おまけ



「?、ザンザス様?あの、手に炎ためてどう…」
「……………」

カッ!!

「…あ、壁が…」

「ゔお゙ぉい!!殺す気かぁ!!」
「…コソコソしてるてめぇらが悪い」
「ミーとマーモン先輩のコラボ幻術見破るとか」
「流石ボスだね」

憤怒の炎で破壊された壁の奥から幹部達が顔を出した。盗み見かよ。ため息を押し殺して、この壁の修繕手配するの私だよなーとかぼんやりと考えてたら、ベルフェゴールが近くにやって来た。

「ゆきーそういやお前松葉杖は?あと隊服着てたっけ?」
「あ、そういえば…」

言われて気付いたが、部屋から出たときは私服に体服の上着を羽織っただけだったが、今はきっちりと下まで隊服を着込んでいる。しかも無我夢中だったから気にしていなかったが、体も軽い。…いや、軽すぎる。全治2ヶ月…背筋ピシッと立てるわけがない。

「隊服は僕の幻術だよ」
「マーモン様の、ですか?」
「うん。あと、君の身体の痛みをなくしたのはフランだ」
「え」

やはりこの体の軽さは幻術だった。え、つかマーモンが隊服の幻術かけてくれたの?

「あー駄目ですよーいきなりネタばらしとか、」
「ッ!!!」

フランのその言葉と同時に体が重くなる。態勢を保てず、ビキビキと嫌な音と共に崩れ落ちてしまった。

「−−−ッ!」

声にならない声が漏れる。

「あ、倒れた」
「…あー解けちゃいました」
「嘘だね、解いたんだ」
「なんのことですかー?」

…くそフランめ…せめて部屋までかけてくれても罰は当たらないよ…!!

「もう!絶対安静って言ったでしょう!?」
「も、申し訳ございません…」

ルッスーリアの叱咤を受けながら、痛みに動けずに居ると、頭の上から声が降る。

「…カスが、」

「しししっ猫みてぇ」
「…………」

ひょいとザンザスに襟首を掴まれ、自室まで運ばれた。

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