副会長 | ナノ



退屈の日々



初めはただの好奇心だった。


私が入ったのは薄桜学園。家から程近く、制服がかわいい事が進学の理由だ。私の頭だともっと上にいけると言われたけど、家から程近いのが魅力的だったので進学を決めた。

まあ問題なのは大学だけど、薄桜学園は推薦枠が結構あるから心配はしていない。

学校に慣れ、クラスにちらほらと友達も出来てきた5月。私よりレベルが下の学校だけに授業が退屈に感じてきた頃の事。


[生徒会副会長募集中!]


…なんだこれは。

学校の掲示板の一面に、そう書かれた張り紙がしてあったのを見つけた。

…生徒会の副会長って選挙とかして決めるんじゃないの?ああ募集してから選挙するのか…いや…待てよ、だったら生徒会役員全て募集するんじゃ…。

私が一人で悩んでいると、先輩らしきお姉様方の声がした。

「うわー今年もやってるよ。生徒会の副会長募集」
「ちー様かっこいいけど…その下で働くとなると話は別だよね」
「うんうん。天霧先輩と不知火先輩みてたらねーやだよ」
「万年留年してる会長の下ってのも…」

「………」

…会長って、あのどう見ても高校生に見えない風間会長の事か。万年留年って…。

お姉様方の話を聞いてると毎年副会長だけ募集しているらしい。


誰もならない副会長

万年留年の会長


それは、学園生活に退屈を覚えていた私の好奇心をくすぐるモノで…


「暇潰しには調度良いか」


私は掲示板からポスターを剥がしてた。

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