12-2
それからちょっとして


「お姉ちゃん!見て!これなんかどう?」

「セラ…それは私には」

「じゃあこっちのは!?」

急遽行うことになった結婚式はセラとスノウの提案でノラのカフェで挙げることになった。

今はセラとドレスを見に来ている。

「コレ着てみて!」

と店員が苦笑いするほどにセラははしゃいでいる。

「まるでお前が結婚するみたいだな。」

「お姉ちゃんのことは私の事!私の事はお姉ちゃんのことでもあるのっ!ほらこれ!」


「……あれ…着てみてもいいだろうか?」

一際目を引くドレスが展示されていた。

「はい。今すぐお持ちしますので更衣室へどうぞ」

「あっお姉ちゃん?」




Side:Hope

もうかれこれ1時間は待っている。

そんなに悩んでいるのかなぁ…

1時間前、セラとライトさんと僕は結婚式のドレスを選びに来ていた。

正しくは僕とライトさんが行こうとしていたらセラさんがやってきて、

ホープ君は当日までお預けなのーーー!って。

ライトさん綺麗なんだろうなぁ…


出てきた頃には何故かライトさんがヘトヘトになっていた。







青空の下 波の音と歓声が響く

「ダメだ…緊張する…」

「しっかりしろホープ!男だろ!」

「でも緊張して…」

『準備はできましたかぁー?』

「はいいっ!」


僕が部屋から出ると歓声があがった。

「ヒューヒューホープ!」

「おめでとーーー」

司会のザッズがマイクを持って叫ぶ

『えーそれでは新婦の入場です』

セラに手を取られライトニングは一歩一歩こちらに近づいてくる。

ライトニングは純白のドレスを身にまとっている。

歩くたびに揺れるレースと薔薇をかたどった飾りがまた


「綺麗だ…」


ライトニングは日光に照らされて泣きたいほど綺麗だった。


今まで見てきたどんなものよりもずっとずっと綺麗で。


クリスタルの中の薔薇のごとき輝きと美しさをもっているようだった。


「ホープ君!お姉ちゃんを悲しませたら私が許さないからぁ!」

ライトさんを僕に引渡しセラさんは席に戻っていった。

ライトさんを2度と悲しませるもんか。

「よし。えー汝ホープは、この女ライトニングを妻とし、

良き時も悪き時も、

富める時も貧しき時も、

病める時も健やかなる時も、

共に歩み、他の者に依らず、

死が二人を分かつまで、愛を誓い、

妻を想い、妻のみに添うことを…」


「長い!」


せっかく覚えたであろうサッズのセリフをスノウが妨害する。

「なっ!スノウ!俺がせっかくおぼえた」

「まぁまぁ2人とも…僕はライトさんを愛し、

幸せにする事をここに誓います。」

「私も誓う。」

「ぬぉ!よし。じゃあ指輪の交換を。」

僕は指輪を手に取りライトニングの指におそるおそるはめた。

ライトニングもまた。

お互いサイズのぴったりあった指輪を交換し微笑み合う。

この人は完全に僕のものになったんだ。

僕もこの人のもの。

「じゃあ誓いのキスを」

「ライトさん…」

「ホープ…」

僕はゆっくりとライトニングの唇にキスを落とす

「「おめでとう!」」

歓声を受けて僕達はまた微笑みあった。


その後は大変だった。

酔っ払ったスノウに絡まれたり

泣いてるセラさんに絡まれたり

機嫌がよくて大爆笑するファングとリグディさんが騒いだり

何故かサッズが「父ちゃん…うれじぃよぉ〜!」なんて泣き出したり

遅くまでノラのカフェを貸しきって盛り上がった。

なぜかマーキーとヴァニラがいい感じになってたのには驚きだった。



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