12-4
半年後

Hope:Side

ライトさんに別れを告げられてからもう半年も立った。

長くて長くて…苦しくて…

もういっそ死んでしまいたいとまで何度も思った。

何度も何度も自分を責めた



ライトニングが去った理由は今になっても分からない。

セラさんやスノウに聞いて見たが知らないの一点張りだったし、

前にライトニングの家を訪れたのだが、

許可が無いのでマンションどころか敷地にすら1歩も踏み入れる事ができなかった。

当然、電話もメールもつながらない。

どうしてこんな事になってしまったのだろうか…

いつから…


ライトさんの大切な人って…

やっぱり恋人…?

だったら僕はなんだったんだろう…

僕がしつこかったから…嫌になってしまったんだろうか…

僕が何かライトさんを怒らせるような事をしたから…?


ライトさんの居ない世界で僕はどうやって生きていけばいい?

何の希望も見出せずにただ時間ばかりが過ぎていった。




「なーホープ、合コン来るだろ?」

級友から今日もそんな話を持ちかけられる。

その人いわく お前が居るだけで人数あつまる だそうだ。

良く分からない…

「僕は遠慮しとく。」

「いっつもいっつもそうじゃんか!な?

1回だけ!いいだろ!?」

「僕はそういうのは…」

「彼女と別れて半年以上たってるんだろ。

お前も花の大学生なんだし、そろそろ新しい人探す気持ちで…」

ライトさんじゃなきゃダメだ。

他の人なんて考えられない。

「ほら!いくぞ!」

「あっ!返してよ」

強引に荷物を持ち出され僕は後を追う。

あの中にはレポートやコミュニケーターとかいろいろ入ってる。

「来るって言ったら返す。来なかったら川に捨てる」

なんだその条件。というかこの人本当にやりかねない…

「…分かったよ…」

なんとかなる。多分。あとは適当に帰れば…





なんて考えが甘かった

「名前は?」

「おうちはどこ?」

「学校は?」

「メールアドレス教えて…」

など質問攻撃にあったのは想定外だった。


「やっぱりホープ連れてこなきゃ良かった。

お前にしか人が集まんないじゃんかよーこのイケメンが!」

「なんでそうなる!待ってよ、じゃあ僕のバックは?」

「返すよ。ほら。」

バックを手渡され僕は少しほっとする。

その後適当に2時間程度過ごし、

僕はみんなが盛り上がってるうちにそっと席を立った。

20時ちょっと前、空は暗いが辺りは街頭に照らされて昼のように明るい。

今日は帰って寝よう…

店をでて少し言ったところで後ろから声がして僕は振り向いた

「ホープくん!」

見るとそこにはさっきまでめっちゃ近くに座っていた女の子がいた。

「私も帰るから、駅まで一緒しよ♪」

「駅までって…タクシーで家まで…」

女子をこんな所にほうっておく訳にもいかない。

っていっていつも僕ってこんな感じな気が…

成長してないのかな…

「ううん、ホープ君と歩きたいの。」

強引に腕をつかまれよろけてしまう。

こういう時はどうしたら…

「…歩きづらくない?」

僕は好きな人意外との接触は好きじゃないのに…

「いいの!」

そういわれてしまってはどうする事もできない

困ったな…



人が行きかう町の中

懐かしい香りを感じ取って僕はある色を探した。

この懐かしい香りは…

高貴な薔薇の香り。

「ライトさん…」

不意に出た言葉に僕は息を飲み込む。

今確かにライトさんがいた。

あの髪の色は人に紛れていてもすぐに見分けがつく。

同時に遠くに映えるピンクブロントの髪を追って僕は走り出した

「ゴメン!」

「え?ちょっと!ホープ君…!?」

走って 人ごみを掻き分けて ライトニングを追う。

せめてちゃんとした理由が知りたくて…

追ってやっと追いついたライトニングの姿を見て僕はひどく驚く。

お腹が大きい…?

「ライト…さん?」

「……! ホープ!」

久しぶりの再会を喜ぶ間もなく僕は暗い気持ちにさらに突き落とされた

「おひさしぶりです。」

ああ…やっぱり話しかけてはいけなかったかも知れない

「ああ。」

「あの…ライトさん

…もしかして最近結婚なさったんですか?」

僕は単刀直入にそう聞いた。

この程度までお腹大きいし妊娠しているってことはつまり…

誰かの子供を宿していること。

あの時別れを告げられてしまった僕じゃない誰かが

ライトさんを手に入れたという事は流石の僕でも察した。

「え…?」

悲しいけど…

ライトさんは見た感じ幸せそうだ。

「ライトさんの子ならすごくかわいいんでしょうね…」

「いや、相手に似たほうが…。私が好きな人の子だからな。」

なんだ、やっぱライトさん好きな人居たんだ。

大切な人ってその人の事か…

だったら僕の入る隙なんて最初から無かったんだ。

「でも、結婚はしてないし、予定もないぞ」

「え…?」

それはどういう事か、と聞き出そうとした所でライトニングが再び口をひらく

「お前は彼女の所に早く戻ってやれ」

「彼女?」

「さっき腕を組んでいた子だ。彼女だろう?

お前が同年代の女子から人気があることは知っていたんだが…

…いい子そうじゃないか。」

ライトニングは寂しそうに笑って僕の背中を押した。

「違います、あの子は彼女じゃありませんよ。

僕は…まだ正直ライトさんの事引きずってます。

頭では分かってるんですよ。諦めなくちゃいけないって… 

どうしてあの時早く一番気付かなきゃいけない

ライトさんの気持ちに気付けなかったのか…

今でも後悔してます。」

「ホープ…」

「でも…頑張って諦めます。だってライトさん、

幸せそうですもん。僕の入る隙なんて最初から無かったんですね。

気を使わずに言ってくださっても良かったのに…

迷惑かけてすいませんでした。

ライトさんはその「大切な人」とお腹の子と3人で幸せになってください。

僕は…ライトさんが幸せなら僕も幸せです。」

「………っ」

「ライトさんが僕の傍にいてくれて、本当に嬉しかったです。

ありがとう…僕はあなたが…大好きでした…」

「………」

それだけ言って僕はもと来た道を戻る。

ライトさんは幸せになったんだ。これで良いんだ。

たとえ僕の手にはいらなかったとしても…ライトさんが幸せなら…


良いはずなのに涙がこぼれた

泣いてどうする、強くなれ!

自分に言い聞かせても涙は止まらない。

涙が落ちて服にしみを作っていく。

好きで、好きで、

僕がライトさんを傷つけてしまった事もあった。

でも、楽しかった。

本当に、好きだった。

さよなら、ライトさん…

どうか、幸せになってください…



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