11-3
3ヵ月後

ホープに連絡すら出来ず声も聞けなかった

状況からやっと開放される時が来た。

私は柄にもなくルンルンしながら飛空挺に乗っていた

任務の終了。

今日でホープに会える。

現にこの後会う約束をもうしている

それだけで私の機嫌などぶっ飛ぶほどに良くなる。


あとはただ一つ面倒な事が残っている

毎回恒例のあれ。


「この前倒れて点滴をしたときにはどうなる事かと思いましたが、

順調そうでなによりです」

顔見知りの医者がにやっと笑う

こういう長期任務の後と定期健診の時の軍医はきまってこの人だ

「で、検査ですが今回も異常なければすぐに終わりますので」

慣れた手つきで検査室を手配し私をそこに向かわせる

そんなに簡単に終わるならいちいち呼ぶなと言いたいのだが…

結果を見た医者の反応で私は事の重大さを思い知る

「帰っていいか?どうせ問題はないだろう?」

医者に呼ばれ私はもう一度診察室に向かう。

いつもならここでお疲れ様、

と言われて家に戻れるのだが…

「健康面で問題は無いのですが…一つ…」

医者がなぜだか嬉しそうな顔をしている

「おめでとうございます。」

「は?」

突然発せられた言葉に私はクエスチョンマークを飛ばす

「妊娠3ヶ月です。」

「え…そんな…」

ウソだ…単純に考えたら嬉しい!

でも…私は何て事を…

ホープはまだ学生だぞ?

こんな事が知れたらホープは学校を辞めて働きます、

とか言い出しそうだ…

いや、絶対にそう言うはずだ…

今まで私が散々ホープの未来を縛ってきた。

これ以上に縛っていいものか!

ホープには夢があると、以前私に語ってくれた事がある。

その時のホープの顔はどこか大人げで、

本当に夢をもった顔をしていた。

このことがホープに知れたらその夢を壊してしまうかもしれない。

私はそれが一番嫌だ。

そんな事、絶対にしてはならない…

私はどうしたら…?



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