11-2
「すまない…」

自然に出た言葉にホープが顔を上げた

「あやまらないでくださいよ。

頑張ってきてください。僕、待ってますから。

あ、でも一つ約束してください…」

ホープが私の手を取って小指に自分の小指を結びつけた

「無理はしない事。

怪我もとか体調が優れない時は無理しちゃダメです。

いいですね?」

「…ああ。」

ホープの言葉に救われた気がする。

確かに胸が軽くなった。

離れる事はいやだが、じきに帰ってこれる。

待っていてくれる人がいる、帰る場所がある。

それだけで十分だ。


その夜から出発の日まで互いに体を激しく求め合った。

ホープは充電です、なんて訳の分からない事を言っていたが…


「じゃあ行ってくる。」

出発の日の朝 私はホープにそう告げた。
すぐ戻れればいいが…

「いってらっしゃい。ライトさん」

軽く唇にキスをする。


これがホープとの最後のキスになるとも知らずに。

ホープに送り出され私は軍に向かう



「で、ファロン準備はいいか?」

「ああ。」

私達総勢50名を乗せた飛空挺は軽やかに飛び立った。

人が住める新しい都市に向けて

スクリーンに注意事項や都市の説明などが映し出される

「新都市には人間が住み始めているがまだまだ魔物が沢山いる。

確認されている限りではそこまで強いものではない。

戦闘班には魔物の討伐を行ってもらう。

俺達はそのこお偉いさんと面会や会議だ。

いいな。じゃ解散」

リグディの簡単な説明が済んで各自部屋に戻る

今回の宿舎はなかなか良い所だった。

新都市のホテルをそのまま滞在場所として使うらしい。

兵士は2人部屋で階級が高ければ一人部屋。

もちろん女の私も一人部屋だった。

明日から任務だから今日は早めに睡眠をとろうと

思い私は荷物を整理してシャワーを浴びたあとベッドにもぐりこんだ。



次の日

「各自持ち場について任務を遂行してほしい。

毒をもつ敵もいるから負傷したらすぐに救護班に見てもらうこと。

解散」

集まっていた兵士たちが各自の持ち場につくために動き始める

と言っても地元の警備会社が大体の魔物は消してるために

軍が出張る必要はあまり無いのだが…


一応だ

「ファロン、行くぞ。お前は俺の警護だ。一応な」

リグディに声を掛けられ私は後ろをついていく。

超小型の飛空挺に乗せられ宿舎から10分程度で

到着したところは新都市の中心になる建物だった

飛空挺から降りると職員の歓迎を受けて広めの部屋に通される

中には男が2人女が一人居た

適当にリグディは対面を済ませ話を終える

こんな仕事を3ヶ月もしなければいけないのだろうか?

非常事態に備え警戒はしているもののいつも現場にいた私にとっては退屈だ

まぁ仕事だから仕方がないのだけれど。


「………」

―ホープは今何をしているだろうか、今の時間帯なら講義中か…

「…ロン…ファロン?」

突然名前を呼ばれはっと我に返る

仕事中に名前を呼ばれて気付かないなど私らしくない。

それほどまでに私はホープの事を…

「なんだ、ホープの事でも考えてたか?」

リグディの心を読んだような言葉に私は黙り込む

どうしてこいつはいつも…

「だよな…悪い事したな…。

俺もファング置いてきてる、

お前はホープ置いてきてるんだもんな…

早く終わらせて帰ろうや。」



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