8−7(リグファン)R15
私はゆっくりと廊下を歩いていた。

廊下というよりは通路が正しい。

そこは自分の家の前とは違う色が施されていて足が前へ、と進む。

正直、驚いた。

自分が今こうやって一人の男のものになっている事に。


指定されたドアのインターフォンを押せばすぐにドアが開いた

「邪魔するぜ。」

「おう。待ってたぞ」

その部屋は何もかもが高級そうだ

「ってか、ここ私達と同じマンションか?」

同じ建物のはずなのに、大きさが軽く3倍はあるし、天井も高い。

オマケに最上階ときて、窓がでかい

「そうだ。お前たちがいる部屋もなかなかにいい身分の人が住む部屋なんだぞ?

この部屋くらいの広さの部屋はいないが、

近い広さならファロン… 

ライトニングも同じくらいだ。まぁこれが特権ってやつ」

え…ライト、こんな所にすんでやがんのか…

「でもここ、一人だろ?」

「まぁな。だがじきにお前が住む予定だろう?」

部屋の主のリグディはそう言って笑った

「そうだな。」

仮にもコイツは私の婚約者だ

「さて、そろっと料理ができる頃かな。」

リグディがそう言ったのと同タイミングで部屋のインターフォンがなった

『お待たせいたしました。夕食お持ちいたしました』

「ごくろう」

リグディは玄関のドアを開けて

料理をテーブルに並べさせた

『失礼しました』

妙に礼儀正しい男が去る


「よし、食うか」

目の前に並べられた料理に私は驚くばかりだ

「お前、いつもこんなの食ってんのか?」

「いや、いつもはもっと質素だ。」

私が悪いが塩を…と立ち上がるとそれをせいされた

「いいから食ってみろって」

私は言われた通りに口をつけると丁度良い加減の味だった

「どうして…」

「お前の分だけ頼んでおいたんだ。ちょっとづつコクーンの味に慣れればいい。」

「さんきゅー。ってか美味ぇ!」

「だろ?」

それからはわいわいと盛り上がった。

出されたワインもいい味をしている。


そんなこんなで食事を腹がいっぱいになるまで楽しんだ。




「んじゃ、風呂あいたっけ入っていいぞ」

風呂から上がって上半身裸のリグディが現れた。

「おう。」

私は言われたとおりのドアを開けてバスルームに体をすべこりませた

「ここも広いな」

ってか、やっぱりこの展開、

風呂から上がったら…って、私のドアホ!


シャワーを浴びて上がるとリグディはさらに酒を飲んでいた

「…ひっく…」

いきなり酔っ払いにからまれる

「お前、酔っ払いすぎだろ…」

「そうでもないんだな、これが。強いもんで。

まぁ酔ってるけどお前も飲め〜」

「ああ。言われなくても」

グラスを取ろうとした瞬間に腕をつかまれて

キスを落とされた

「…っ」

抵抗する余地もなく深く交わされるそれにだんだんと

酔わされたように力が抜けていくのを感じた

「このまま…いいか?」

「…昨日の今日で展開早すぎないか?」

こんな事初めてだ。もうどうしたらいいか

「お前にとっちゃ早いかもしんねーけど、俺は4年間ずっと望んでた。

まぁ、お前が嫌がるならまたの機会で。」

「…別にいいぞ」

「……本当か?」

頷くと照れたように笑った。

「じゃあ遠慮なく」

「っぁ!」

深く交わされるキスの中で持ち上げられて寝室に運ばれた


衣服を脱がされる前に私は身を強張らせる

「…ファング?」

「…情けない話、こういうの初めてなんだ。」

こんな風に自分を女として求められる事が

「できるだけ優しくすっから、心配すんな」

私は手なずけられた犬のようにこくんと頷いた


夜が明けるまでお互いを求め合う。

それがどんなに幸せで 嬉しい事なのか 分かった気がする。


―…


最初は強引な奴だとか思ったけど、今になっちゃ特別な存在だ。

リグディの言う通りの未来も、悪くない



←戻る
7/7
 next→
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -