8−5 (リグファン)
side:ファング

「ねぇ!やっぱり付き合ってるの?」

面白おかしく同じ質問を何度もぶつけてくる

ヴァニラに私は反抗していた

「だ、か、ら、そんなんじゃねえって!」

この質問はリグディとの関係について、だ

「じゃあどうしてデートに行くとか言ってんの?」

「もう…デートじゃねえって。飯食いに行くだけだってんのに…」

「じゃあなんでそんなにおしゃれしてくの?」

今、ファングは服を着あさってプチファッションショーみたいな事をやっている。

そんな事を始めた発端は昨夜

リグディから届いた1通のメール

「明日ヒマか?良かったら夜飯食いにいかねえか?」

という誘いのメールだった。

深い意味は無いかもしれないが、私はこのメールを見た時なんというか、

…嬉しかった。

それで昨日から眠れずにいるって訳だ。

「じゃあ出かけてくるわ。」

「頑張ってね!でーと♪」

だから…と否定しかけてやめた。

第一、リグディは再会の意味を込めてそう言っているだけだろうし、

ヴァニラがいう様な恋の方向ではないと思う。

私は柄にもなくうきうきしながら軍のマンションを出た。

マンションを出るとすぐそばにエアーバイクがとめてあった。

そのバイクの所有者であろう男がこちらに気付き近づいてくる

「来たか。お前…その………

行くぞ。後ろに乗ってつかまれ。」

私はリグディの言ったようにしたがってエアーバイクにまたがった

その…服もいいな。

と言ったのは聞き逃していない

「出発進行!」

リグディの声が夜空に響いた

とどうじに飛び上がる影。

「うわっ!あぶねっ!もっと安全運転しろよ!」

リグディの狙い通り、バランスの取れない走行で

ファングが抱きついて来てくれるのは無事成功した。



ここが何処なのか、分からないけどリグディの後ろにのって到着したところは

なかなか良いところだった。

パルスほどじゃないけどな。

リグディに連れられてとあるレストランの席につく

「ご注文は?」

店員にそう聞かれ少し戸惑ったところで

リグディが注文する品の名前を並べた

味付けは濃い目で、と私は付けたす。


「おいおい、塩分の取りすぎは…」

すぐに出てきた料理に塩をかけ始めた私を見てリグディは苦笑する。

「あん?味がねーんだ。パルスの料理はもっとしっかりしている。

料理についてはホープに何度も言われ薄味になった方なんだぞ」

一口口に運んでみると満足できる加減になっていたので、

塩を置いて料理を食べ始める

「で、本題なんだが…」

リグディの顔が変わり私は首をかしげる

「本題?なんだ?」

「え…っと…」

「うん…?」

「……っ…」

男のくせにはっきりしねえな…

「なんだよ…?」

「俺と、結婚前提に付き合って欲しい。」

その瞬間何がなんだか分からなくなって私は

持っていたフォークをカツーンと床に落とした。

周りの雑音が一気に聞こえなくなる

「は…?」

「ずっと。4年間っつたらそうでもない風に聞こえるが、

いつ戻るか分からない人を待つ4年間は長くてつらかった。

それでも待って、お前は復活した。

ずっと、忘れられなかったんだ。

初めて会ったあの時から。」

「……っ」

「お前が嫌なら潔く振られる。

もし望みがあるなら考えてくれないか?」

待て待て。頭がついていかないぞ。

初めて会ったときからリグディは私の事が好き?

結婚前提に付き合う?

なんか分からないけど…それもありかもな…なんて。

「…答えは…」

「いいぞ。」

私は短くそう返す。え?と反応したリグディに笑みを向ける

「いいぞ。その代わり私は怒ると怖いぞ?」

「………」

黙り込んだリグディを覗き込む。何か悪い事でも言っただろうか?

心配して顔を覗きこむと不意に手首を思いっきりつかまれた

「やったぜ!俺の彼女だ!いやったーーーー!」

私の腕をつかんで高くあげたリグディに周りの視線が集まる。

「ちょっ…」

なんだなんだ?この周りの反応は。

拍手なんておきてやがる。まっ、いいか



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