6−3
Side: hope

朝起きるとライトニングは僕の腕の中で安らかな寝息をたてていた。

手を出さない、なんて言ったもののこの状況は流石につらい。

大好きな女性がこんなにも無包備な寝顔をさらしている。

僕だって男だ。

この状況で力任せにどうにかしてやりたいという衝動にも駆られるが、

こんなにも安心したような顔で眠っている彼女にそんな不埒な事をしたくは無い。

キス1つだって簡単に出来はしないのだ。

簡単にしたいという意味ではないが、

好きな女性と深く関係を築けば築くほど欲望は沸いて来る。



―まぁ僕は、この顔が見れるだけで十分なんだけど

彼女のこんなにも安らかな寝顔を見られるのはごく限られた人間だと思う。


突然ライトニングのコミュニケーターの着信音が鳴り響き

眠っていたはずの彼女が飛び起きた

これが軍人の性、というものなのだろう。

「はい。」

落ち着き払った声でライトニングが応答する

相手はやはり軍の関係者だと思う。

聞いてはまずいかと思い僕は寝室からリビングに移動した。

部屋の向こうではなにやらライトニングが電話の相手と

難しそうな話をしているのだろうか、喋り続けている。

そして暫くしてライトニングが部屋から出てきたかと

思ったらクローゼットから軍服を取り出した

「すまない、急に会議が入った。

今日は遅くまで帰れそうに無い。

お前が良ければここにいてもらってもかまわないぞ。」

「ええ。明日も休みなのでそうします」

「悪いな。じゃあな」

ライトニングは朝食も食べずに部屋を飛び出していった。

結局不規則な生活なんじゃないのか、と苦笑する。

帰ったら嫌でも栄養を取らせようと思う。



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