5−2
静まり返った廊下に足音が響く。

誰かのお見舞いだろうか

そう思ったが部屋のドアがゆっくりと開かれて私は体をこわばらせた


「ホープ…!」

そこには強情そうな銀髪が光に反射し、キラキラとつやをかもし出している。

嬉しい。でも

それ以上に私の胸はさらに大きく痛んだ。

ホープは明らかに険しい表情をしている

「…ホープ!すまなかった。私が悪かった。

お前に嫌われるのは仕方ないと思う。

でも言い訳はしないから誤らせてくれ!」

私は怒っているようなホープの顔が直視できなかった。

それでもぐちゃぐちゃの頭の中で必死に言葉を並べる

「………」

ホープは相変わらず黙ったままだ。

私はそれほどまでにホープに見放されていたと悟り、泣き出したい気分になる。

「………すいませんでした!!」

いきなりホープがそう声をあげた。

私が訳がわからずその場を呆然と見る

「さっきのリグディさんとの話、いけないとは思いながらも聞いてました。どういう事なのか知りたくて。」

「え…」

全部聞かれた…?

「襲われたとかってどういう事ですか!?」

ホープの強い眼に捕まってはもう逃げはできない

「…言い訳はしないと言った。」

「聞かせてください!どういう事なのか全く分かりません!」

「……私が気付かずに睡眠薬で眠らされて、

連れて行かれて、起きたらああいう状況だったんだ。

嫌で必死で抵抗してすぐに逃げ出した。

その場面をお前に見られた。それでこうなった」

「そんな…それじゃあ僕が…理由も聞かずに勝手に怒って…あなたを傷つけた…

すいませんでした・・・

誤って済む問題じゃないですよね。」

「そんな!お前は悪くない。私の不注意で…」

「あなたを…信じていたのは本当です。

でもあんな姿目の辺りにしたら何が本当か分からなくなって…僕はあんな事を…」

「良いんだ。

私がもっとしっかりしていればあんな風に連れて行かれることもなかったし

そのせいでお前に誤解される事はなかった…」

「それは違います!リグディさんの言うとおりあなたを守りたかったなのに、逆に傷つけた。これは僕の非です!」


ホープが思いつめたような今でも泣き出しそうな顔をしている

「私なんかの為にそんな顔するな。」

「私なんかって言わないでください!

僕は…あなたがあの人と上手く行ったと思い込んでよく話も聞かずに

あなたにあんな事を言ってしまった。

本当に反省しています…だから…僕にもう1度だけチャンスをください…」




正直な気持ち、嬉しかった。

これで良かったのだとホープの事を思っていたはずなのに心はホープを求めていた。

それで私は現実を見ようとしなかった

「でも…私はお前のそばにいる資格など…ない」

お前を悲しませるだけだ
私は汚れかけたのだから。



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