3−3
Side: Lightning

「よう!ファロン。朝からご機嫌だな」

シャワーを浴びて軍服に着替えて軍のルームに行くと案の上リグディがくつろいでいた。

本当にこいつが代表になるのかよ…と突っ込みどころも多いのだが

「私は別に…」

「上手くいったか?」

リグディは何もかもお見通しのようににぃと笑って見せた。

「何を…」

「俺はな、人を見る能力が超人的なんだよ。特に美人の女はな(笑)隠してもなんでもお見通しだぞ。」

妙な含みのある言葉に疑問も感じるがこいつなら本当にそう言う能力がありそうだとも思う。

「ただ分からないのが…お前、4年間何処に隠れていた?

俺達が相当に探しても姿が見えないどころか情報も一切入らなかった。」

それはそうだ。クリスタルになったと知っているのは元ルシの仲間のみだ。

みんなが好き好んで言う訳もないだろうし、クリスタルになっていたなんて言っても信じないだろうし。

まぁ、リグディに隠しておく必要も無いと思い口を開いた

「お前には言おう。私は4年間クリスタルになってパルスで眠っていた」

「は…」

「探し回っても見つけられなかっただろうさ」

「お前…それ本当か…?」

リグディの顔色が何故か変わった

そしていきなり私の肩につかみかかった

「どうやったら…どうやったらクリスタルから目覚められた!?

どうしたらクリスタルになった人間を蘇らせられる?

時間は・・・どれだけ待てば…どうすれば…」

「私が知るか……声が聞こえて…急に温かくなったと思ったら体軽くなってこうなった」

「…じゃあ、クリスタルから目覚める事もあるかも知れないんだな…」

「現に、私がそうだ。」

「だったら…あいつも…」

リグディの言葉を私は聞き逃さなかった

「ファングか…?」

あの状況でヴァニラとリグディはあまり認識がなかっただろうからあいつといったらファングに限られてくる

「ああ。あいつは少々男勝りだが自分をしっかり持っている。

いつも前を見てしっかりした強い眼をしている。」

リグディは嬉しそうにいい女だとつぶやいた

「好き・・・なのか?」

「そうかもな。」

「……あいつは…目覚めるよ。おそらくコクーンが自立して支える必要がなくなれば、目覚める。……女の勘、だ」

「ありがとう」

リグディの意外な一面を見た気がした。こいつは悪い奴じゃないと言えると思う。

かつて心を開いたアモダ曹長のように




ファングとヴァニラは今、何を思っているのだろうか

もし声が聞こえたならば近くで語りかければ目覚めるきっかけにもなるかも知れない。

人間の技術でコクーンを支えられればあの2人は目覚める。

そんな予感がする。

それ以前に、ファングにも待っていてくれる男がいる

リグディの言葉があんなに心に残ったのもファングを思っての実体験だったのだといまさらながらに思う。



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