3−2
「あの…ライトさん…?」

僕がライトニングの異変に気付いたのはそれから30分以上後の事だった。

ライトニングの体から力が抜けたかと思ったら力なく僕の方に倒れてきた。

なれない生活で疲れているのだろうか?それとも別の理由か、いずれにせよ僕に心を開いてくれるという事の表れだと思い嬉しくなる。

ただ心配なのはこの人は僕を 男として認識しているかだ。

普通に考えて好きな女性が目の前で寝ていて、しかももたれかかってくるという状況だ。

僕だって男だ。その手の欲が沸かないといったらウソになる。

いくら僕が年下だとしてもだ。




僕は柔らかいピンクブロンドの髪に手を通す。

サラサラと落ちる髪の毛の香りを楽しんでいるも白くて柔らかい肌に柔らかそうな唇があってはキスしたいという衝動に駆られる。

してしまおうか…?晴れて恋人同士になったんだしキス位…でも…

自問自答を繰り返すが結局は彼女が起きているときに唇を奪いたいと楽しみを残しておくことにした。

それにしても、寝顔が美しい。

いつものようなきりっとした雰囲気は抜けているもまた違ったライトニングを見ているようで心臓が大きく脈を打つ。



そんな夢のような時間は過ぎるのは早くて僕は時計に目をやった。

ヤバイ、終電が近い…

エデンは浮島であるがゆえに夜中の便はそこまで良くない。

昼間だったら問題はないのだけど…

僕はライトニングを起さないようにライトニングを抱きかかえて寝室に向かう。

思った以上に彼女は軽くてあそこまで運動ができるのは神的だと思う

そっと彼女をベットに降ろす。

「おやすみなさい…ライトさん」

小声でつぶやいてその場を離れようとするが嬉しすぎる状況になってしまい逆に困り果てる。

寝ているはずのライトニングが僕のシャツの裾ををつかんで離さないのだ。

「ん……ホー…プ…」

寝言!?

夢の中に僕でも出てきているのだろうか?嬉しすぎる。

でも終電が…

僕は少し考えて彼女に布団をかけてから少し距離を置いて横になった。

これ以上近づいたら流石に理性が保ちそうに無い。

それにライトさんが僕の裾を離してくれそうにない。

まぁ、離さないほうが僕としては好条件なのだけど…

そんな事を考えながらも彼女の寝顔を拝みながらいつの間にか眠りについていた。






先に目を覚ましたのも僕だった。

時刻は朝の6時半。

隣にいる彼女の細い髪の毛で遊んでいるとライトニングがゆっくりと目を開いた。

「え…」

「おはようございます…ライトさん」

相変わらず僕のシャツをつかむ手は離れていない。

「なんでお前がここに居るんだ?学校はどうした?第一高校生が外泊など…」

ライトニングが起きてすぐにそんな事を言い出すので僕は苦笑した。

「すいません…あなたが離してくれそうに無かったので」

「!…っ…すまない」

ライトニングがつかんでいたシャツを離す
そのシャツにははっきりとつかんでいた跡が残っていしまっている。

これはこれで良い模様のようだが…

「では僕はこれで。今日も学校があるので。」

僕は名残惜しさを感じながらも彼女の家を出た。


ライトニングのぬくもりがまだ残っていて思わず一人でにやけてしまう。

今の僕、周りから見たらものすごく変な人だ。



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