バレバレ

「ええっ!!? お客さんって、門井さん!?」

『ども…お邪魔してます。』

「お帰りリクオ、学校はど……」

「なに!? どういう流れで家に来たの!?」

「……オレは無視かい。」


パニック状態に陥るリクオに、口をとがらせていじける鯉伴。そんな2人の様子を見比べて、なるほどと凛は一人納得する。


『ずっと、不思議に思ってた。』

「え?」

『奴良君から妖気が僅かに感じられる理由。クォーターだからなんだね。』


その言葉に、リクオはギクリと体をこわばらせ、鯉伴は真面目な顔をする。
拒絶されるのか、バラされるのか…
凛がどのような行動を取るのか注目する2人だが…言葉を何も発さない彼女に痺れを切らし、リクオは恐る恐る口を開いた。


「妖怪、嫌い?」

『さぁ…』

「さぁ…て、正直言って、どうなの?」

『知らない。』

「……興味がないってこと?」

『違う。』


なかなか彼女の言わんとすることが分からないリクオは頭にはてなマークを沢山浮かべている。だが、「分かるようにハッキリ教えて」というリクオの言葉に、凛も面倒くさ気にだが説明し始めた。


『普段、妖怪との付き合いがないから、嫌いか好きか分からないってこと。』

「なるほど…そういうことか……」

『…あ、でも、何の妖怪かは知らないけど…及川さんと倉田君のことは嫌いじゃない。』

「……ええっ! あの2人が妖怪だって気付いてたの!?」

『……上手く隠れてる気かもしれないけど、この家、たくさん妖怪がいる。』

「皆バレバレじゃん!!!」


彼女の様子から、本当に妖怪を嫌ってもないし恐れてもいないことを悟ったリクオは安堵のため息をつく。
だが同時に、
彼女が霊感が強いだけなのか、それとも何か特別な力を持っているのかが気にかかり…
また、


「……何というか、気配を消して隠れるくらいのことはできるようになろうよ、皆…」


と、妖怪にとって更に生きづらくなるかもしれないこの先の未来を見据え…頬を引き攣らせながらリクオは苦笑するのであった。



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