桃巨会へ行こう
学校へと向かう途中、獄寺がディーノさんについて説明してくれた。どうやらボンゴレファミリーと同盟関係にあるようで、同盟ファミリーの中でも3番目に規模が大きいらしい。
そしてファミリーの名前はキャバッローネファミリーらしい。
何て覚えにくい名前なんだ。
「なぁ、ツナ…
今マフィアって言ったけど…」
「(しまった!)あ…えと、それは…」
「変な名前の会社だな! ハハッ!」
『(何故そうなる…)』
相変わらず山本は天然だな。普通マフィアって聞いたら普通にあのマフィアを思い浮かべるだろ。
そんな感じでノビノビと学校へと向かって入れば…
フオオオオオオオ…
ギャギャッ
『あ』
「えっ!?」
「ツナ!?」
「10代目!?」
「うそーーーー!!」
フオオオオオオオ…
説明しよう!
急に高級車が私達の隣に急停車したかと思いきや、沢田があっという間に縄で縛られて連れ去られてしまったのだ。
「あれは桃巨会っていうここらのヤクザだな。ヤクザは日本のマフィアみたいなもんだ。お前ら中学生が叶う相手じゃねぇから警察に任した方がいいぞ。」
そう言うのは、いつの間にか現れたリボーン。だがそんなリボーンの言うことを聞くほどこの2人は大人しくなく…
「任せられません!!」
「警察は任せたぜ、小僧!」
そう言い終わるや否や、車が去った方向へと走り去る獄寺と山本。一方、何も行動を起こさない私を見てリボーンが「お前は行かないのか」と問うてきた。
『行かないよ。
だって、桃巨会が沢田を攫う理由がないもの。』
「理由はそれだけか?」
リボーンの問いに、さぁね、と適当にはぐらかしたところで第三者が現れた。
やっぱり、攫われてないじゃん。
「悪くねぇな。あいつらの頭の中にはツナを助けることしかねぇ。考え無しの行動だが…信頼できる奴らだな。」
「ぶはっ…な、何してるんですかディーノさん!」
「わりーわりー、ちょっとお前の仲間を試したかったんでな!」
そんなことだろうと思った。
ディーノさんの隣には縄でぐるぐる巻きになった沢田がおり、先程の車もそこにある。要は、獄寺と山本を試すための演技だったと言うことだ。
「…そんで、考え無しのあいつらとは逆に、考えてから行動する菜也がいるってことか。いいファミリーじゃねぇか、ツナ!」
「ちょ、ちょっと待ってください! なら獄寺君と山本はどうなるん…」
「それなら心配するな、あいつらも諦めて直ぐ帰るだろうよ。桃巨会ってのはリボーンが創ったヤクザで、実在しねーからな。」
『…え?』
「ん? どうかしたか?」
ディーノさんの言葉にホッと息を吐く沢田。だが私は逆に戸惑ってしまう。
だってー
『桃巨会…存在するよ?』
「「え?」」
「あ、言い忘れてたぞ。菜也の言う通り、桃巨会はこの町に存在するヤクザだ。」
「「はぁ!? / なっ!!?」」
リボーンの言葉に、沢田とディーノさんはどういう事だとリボーンを責め立てる。そんな彼らに対して飄々とするリボーンだが、途中でスピーと鼻提灯を立てながら寝てしまった。
…立派な鼻提灯なうえに目を開けたまま寝るその姿は少し、いや、結構不気味である。
結局、沢田を助けに向かった2人を救出するべく動き出す私達。怖くて嫌だと顔を青ざめる沢田をディーノさんは無理矢理連れ、3人で桃巨会のアジトへと向かうのだった。
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