誕生日プレゼント


『…雪ん子ちゃん、超特急で家にある妖銘酒を取ってきてくれないかな。』

「ボーッ!」


トイレに行くと言って、盛り上がる誕生日パーティから1時離脱した私。
本当は自分で取りに帰りたいところだけど、頑張っても往復最低15分はかかるから嫌だ。トイレに15分は絶対ウンコだって思われるから嫌だ。

『取ったら部屋の前に置いといてくれる? 後で取り来るから。』
「ボーッ♪」

マジ可愛い。
元気よくいい返事をする雪ん子に私は毎回癒されてます。
まぁ、それはさておき…そろそろ部屋へ戻るとするかな。


『おまた…せ…
……何で部屋荒れてんの?』
「ビアンキが…ピザの生地で…」
『あーうん、意味分かんないからいいや。』

部屋に入ればランプやらテレビやら…色んな物がスライスされていた。しかも理由がピザの生地って何やねん…ビアンキさんが何かしたのは分かったけどそれ以外は分からんわ。

「ビアンキは90点だぞ。」
『高いねー、皆。』

山本は80点。ハルちゃんは殺し屋のリボーンへ白いターゲット柄のスーツをプレゼント。最早狙われまくりだが…うん、逆にいいんじゃないかな。そしてビアンキさんはピザの生地で暴れて(?)95点。
…不味いな、私が一番点数低かったら一体どんな罰ゲームが待ってるんだ?
殺されることはまずないとして…でもリボーンの事だからとんでもない罰が待っていそう。
だが私のそんな心配は次の人で早くも消え去ることとなる。


「ガハハハハ! ランボさんだって準備してあるぞ! ほら!!」
「? 何だそれ?」
「ランボの棒だもんね!」


沢田の疑問にランボの棒なるものを説明しながら作り始めるランボ。



☆ランボの棒の作り方☆

1.人差し指にスティックノリののりをくっつけます。(多め)
2.そのノリが糸を出すまで、人差し指と親指をくっつけては離し、くっつけては離し…を繰り返します。
3.その糸を(何でもいいので)棒にたくさん巻き付けます。

☆ランボの棒の完成☆



「だからそれ何なんだよ!?」
「1点だ。」
「くぴゃっ!!?」
『(本気でショック受けてる…)』
「それで? 次はツナか菜也だ。何もねぇなら2人とも0点で死ぬぞ。」
「なっ、オレは今日この事知ったんだぞ!? 準備なんかしてあるわけないじゃないか!!」

…相変わらず沢田って不憫な被害者だな。

『…じゃあ先に私ね。プレゼント取ってくる。』
「家まで取り行くんだったら却下だ。準備してないと見なしてお前も0点だぞ。
代わりにパフォーマンスしてみろ。
…お前の特技とかな。」

やっぱり。
沢田に私と一緒に帰れって言ったのはこれを狙ってだ。もし私がプレゼントを持ってなくて、パフォーマンスをするしかないとなれば、きっと私は諦めて明鏡止水をやってみせただろう。
リボーンはそれを企んでいたのだ…現に今ニヤニヤと憎たらしい笑みをしている。
だが甘い!!


『心配ご無用。
私からの君へのプレゼントは…ここにある!』


ガチャッと戸を開けば、足元にあるのは妖銘酒。それを取る時にチラッと廊下の奥を見渡せば、これを持ってきてくれた雪ん子がいた。

『(あ・り・が・と・う)』

口パクでそう言えば伝わったようで、ボーッ!と小さく鳴く雪ん子ちゃん。今度お礼に美味しいお菓子をあげよう。


『はい、これ。妖銘酒。
ワインとかビールばっかり飲んでそうな君に、日本のお酒をプレゼントしよう。』
「いやいやいや、奴良さん!?
これでもリボーンまだ赤ちゃんだから!」
「…チッ、サンキュー菜也! ありがたく飲ませてもらうぞ。(いつの間に準備したんだ?)」
『どういたしまして、度数強めだから飲み過ぎないようにね。(妖怪を舐めてもらっちゃ困るわ。)』


私とリボーンがコソコソと裏でこんな事を話してるなんて、誰も思いもしないだろう。
でも事実。
リボーンは私が妖怪であることをバラしたいのか、それとも業をただ単に見たいだけなのか…私に業を使わせようと時々企んでは仕掛けてくる。


結局、私は75点を取り…
ちなみに沢田は獄寺の用意したパフォーマンスの犠牲に合い、100点を取った代わりに病院送りになったのである。






(『マジックてのはいい案だけど…タネも仕掛けもない箱に剣ぶっ刺すのを避けられる人なんて普通いないから。』)
(「だろ? だからオレも無理だって言ったんだよ…そしたらコイツ怒ってよ。」)
(『あぁ、それで今朝喧嘩してたのね。』)
(「まぁな。でもやっぱツナスゲェよな! まさかアレを全て避けられるなんて!」)
(『…無理な体勢して避けたから今は病院にいるけどね。(本当、死ぬ気弾パワー凄いな。)』)

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