誕生日パーティ


「えと…その、じゃあ帰ろっか!」
『うん、道案内よろしく。』



授業が終わり、早速家に帰ろうと学校を去ろうとすれば沢田に話しかけられた。
どうやらリボーンに「家に招待しろ」と言われたらしい…。
という理由で、私は沢田と共に沢田家へ向かっているのだが…


「いやぁ、明日が待ち遠しいなぁ! 皆どんなことしてくるんだろう、どんなリアクション取ればいいかな!
‘えぇっ!? マジで!? ビックリー!!‘
それとも…
‘おったまげたー!!’ とか!?」

『(……おったまげたって言う人初めて見た)』

「ふふ、取り敢えず今日は何も気付いてないふりしないとな!」


1人で驚いた時のリアクションを取る練習をする沢田に、私の心はズタズタである。
つぅか恥ずかしくないのか!
私とリボーン、何も言わずにただ歩いてるのに…1人でそんな事してて恥ずかしくないのか! しかも外なのに!!
心が痛いわーなんて思いながらも、そのまま沢田に着いていけば、ようやく沢田の家に着いたようで…

『へぇ…沢田の家ココなんだ。』
「うん、奴良さんの家はどこなの?」
『ここから10分歩いたら着くところ。』
「へぇー、じゃあ近くも遠くもない…て感じかな。それよりどうぞ、あがって!」

門を開け、そんな事を話しながら玄関のドアに手をかける沢田。
そして次の瞬間…


ガチャッ

「ただい…」

パパパパーーーーーン

「誕生日、おめでとうー!!」

「えっ…(誕生日、明日なんだけど)」

『…………。』


ドアを開けばクラッカー音。
沢田家の者に加え、噂のランボ君やハルちゃん、ビアンキさん、そして獄寺と山本も出迎えていた。


『……誕生日おめでとう、リボーン。』

「サンキュー。
今日はオレのために集まってくれて感謝するぞ。」

「なっ…えええええ!!?? 誕生日パーティって…リボーンのおおおおぉぉぉ!!?」


勿論、自分の誕生日パーティだと勘違いして浮かれていた沢田は物凄くショックを受け、「スゲェ馬鹿みたい…」と方を落とす。
一方そんな沢田の様子に沢田の母は「そういえば明日ツナの誕生日なの忘れてた!!」と追い打ちをかけ、更に周りの者は「ええーっ!? 知らなかった!!」とトドメを指す。

結局、リボーンだけでなく沢田の誕生日も兼ねて誕生日パーティをする事になったのだが…

『……獄寺君、具合悪そうだけど大丈夫?』
「!
そうだ、そういえば獄寺君…ビアンキの前だと具合が物凄く悪いんだった!!」
『(何だそれ)』
「じゅ、10代目…オレは10代目の誕生日をちゃんと覚えてましたよ。
でも…どうやらここまでのようです…」
「えっ?」

ドサッ

「ええええー!!? 今ここで死ぬのっ!?」
『具合悪いなら来るなよ〜。』
「それは無理よ。」
『…あ、ビアンキ…さん?
初めまして、奴良菜也です。』
「初めまして、隼人の姉で、リボーンの恋人よ。リボーンに手を出したら命がないと…」
『大丈夫です。リボーンは私の眼中にないので。』
「死にてぇのか?」
『やめて。
私死ぬ気弾撃たれても、この言葉に後悔はしないからきっと生き返れない。』

やってきたのはビアンキとリボーン。
二人の説明によると、奇数の誕生日の時にはボンゴレ式誕生日パーティが行われるらしい。

「ルールは簡単だぞ。
参加者はプレゼントかパフォーマンスをして、誕生日の奴がそれに点数をつけるんだ。一番高得点を取ったやつは豪華賞品を貰えるが、一番点数が低いやつは死が待っているぞ。」

NANDASORE!
何で祝にきたのに殺されなくちゃならないんだよ。そんなんだったら最早祝いになんか行きたくないよ。

「皆この日のために影でコソコソと準備していたんだぞ。」
「…だから皆の様子が変だったのか。」
「ハハッ! まぁ子供の遊びだし、気楽にやろーぜ!!」
「ちなみに山本は寿司をご馳走してくれたからな、80点だぞ。」

そうそう。
今は山本が持ってきてくれたお寿司を皆で分け合って食べてます。

『…このお寿司どこで買ったの? 凄く美味い。』
「おっ、サンキュー! うちんち寿司屋だからよ、それ聞いたら親父きっと喜ぶわ!」
『マジか。じゃあ今度家族で山本ん家の寿司を食べに行くね。友達割引よろしく。』
「おぅ! 任せろ!」
「…こういう時だけ‘友達’…(ボソッ)」
『何か言ったかな? 綱吉くん。』
「な、何も…!」

そんなこんなで始まった超理不尽なボンゴレ式誕生日パーティ。

「はひっ! さっきから気になってたんですが…もしかしてツナさんの恋人ですか!?」
『何でやねん。』
「一緒に学校から帰ってきてたし、今のやりとりも…!!」
『違うから。果てしなく違うから。
ただ同じクラスなだけの奴良菜也です、初めまして。』
「あっ! そういえば自己紹介がまだでしたね! 将来ツナさんのお嫁さんになる三浦ハルです♪」
「何勝手な事言ってんだよ!?」
『獄寺君にハルちゃん…沢田モテモテじゃん。』

ビアンキさんやハルちゃん、ついでに「何だ? お前、ランボさんの部下にしてやらなくもないもんね!」とかクソ生意気な事を言ってくるランボとの初対面の挨拶をしながらも…
私はー


『(…あ、プレゼント持ってきてない。)』


1度家に帰宅するつもりだったため、家に置き忘れたリボーンへのプレゼントをどうしようかと頭を悩ませるのであった。

- 29 -


[*前] | [次#]

[ back to top ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -