後悔先に立たず


「お前牛乳飲んだ方がいいぜ? イライラはカルシウム不足が元だ。」
『しかも煙草よりも牛のお乳の方が健康的だよ。』
「(もう我慢できねぇ…!!)」


放課後なぅ。
私と一緒にいるのは、かの不良少年獄寺隼人と野球少年山本武だ。何故かわからないが…山本と一緒に獄寺から急に呼び出しを食らったのである。
だが、
呼び出しておきながら獄寺は黙りとただギロギロ睨み付けてくるため、冒頭へと戻る。


「おーーーいっ!!」
「よっ!」
「10代目!!」
『…沢田』


そこへやって来たのは、息を切らして走ってくる沢田…と、

「…誰だ? お前の弟か? ツナ」
「チャオっす」
「ゲェッ! リボーン!!」

スケボーに乗り、沢田をトナカイ代わりにしている例の赤ん坊。リボーンと呼ばれたその赤ん坊は「弟なんかじゃねぇぞ。オレはボンゴレの殺し屋だ。」と言い、山本はそれを聞いて「それは失礼した! 悪かったな」なんて笑っている。

「そんな小せぇのに、殺し屋なんて大変だろ?」
「そうでもねぇぞ。それにお前もボンゴレファミリーに入るんだからな。」
「ちょっ…り、リボーン!?」
「まぁいいじゃねぇかツナ。
お前も小せぇ頃やっただろ? ヒーローごっこ」

私や獄寺はそっちのけで、山本とリボーンは楽しそうに話をする。

「ちなみに10代目のボスはツナだぞ。」
「おっ、そりゃあ良い人選だな!
よし。オレもそのボンゴレってのに入れてくれよ。」
「なっ…山本!? 何言ってんのー!?」

山本のそのお気楽な発言に、ボンゴレに入るテストをやると言うリボーン。ついで、「ちなみに落ちたらボンゴレには入れねぇからな。あと…失格は死を意味するぞ。」と何やら物騒な発言をしている。


「ルールは簡単だ。ただ攻撃を避けろ。
それじゃあ始めるぞ、まずはナイフだ。」

「うぉっ!?」

『え……』


……ビックリ。
何で私は呼ばれたんだろう、帰ってもいいかな、なんて考えていれば…私と山本の横をスレスレでナイフが通り過ぎた。


「ちょ、何やってんだよリボーン! それに何で山本だけじゃなく、奴良さんもっ!?」
「ん? 菜也もボンゴレに入れるからに決まってんだろ?」
「なっ…はぁ!? 聞いてないぞ!?」
「今言ったからな。そんじゃ、続きするぞ。」


…こないだの話は本当だったのか。

山本の屋上飛び降り騒ぎの日、あの時私はリボーンに妖怪の話を打ち明けた。
いや…打ち明けたって言っても「お前ん家にいる化け物は何だ?」って最早バレてましたけどね。知ってるなら「お前何者だ」なんて最初から聞くなよって話だけどね、ホント。
そして、
妖怪であることは内密にして欲しいと言う私に…
「お前がボンゴレに入るんだったらいいぞ」
と、条件をつけたのがこの性格の悪いリボーンである。


『(適当に返事しときゃあいいやって思ってたのに…まさか本気だったとは。)』


後悔先に立たず、とは正にこのことだ。


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